マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love
2026.7.4(土) 〜 9.6(日)
フィンランド生まれのマリメッコは、ファッションやインテリアの枠を超え、新しいライフスタイルやコンセプトを提案するデザインハウスです。1951年の創業以来、デザイナーのアイデアや思想を重視した製品づくりを行い、毎日の暮らしに彩り、喜び、前向きな心をもたらすことをミッションとするヴィジョンを世界に向けて発信し展開し続けてきました。これまで生まれた3,500種類以上の独自のプリントデザインは、人々のファッションや暮らしを彩り、また時には過去のデザインが再構築されることでタイムレスな魅力を放ちます。日本でも世代を超えて長く愛され続けてきました。
本展は、マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアの言葉を手がかりに、様々な年代のドレスやアートワーク、ファブリックを通じて、マリメッコの創造の美学、また継承されるプリントメイキングの技に多角的な視点から光を当てることで、マリメッコの世界へ来場者を誘い、「模様のちから」を伝えます。
会場では、アートユニット・plaplaxによって、デザインが産声を上げるヘルシンキにあるマリメッコ自社の「プリント・ファクトリー」を映像とプロジェクションにより展示。手仕事のぬくもりと映像表現が融合する空間で、創造のプロセスを表現します。さらに、デザイナー・皆川 明氏によるインスタレーションも見どころのひとつです。マリメッコとの対話を通じ、国境を超えて共鳴し合うデザインをご覧いただけます。
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入場料金(税込) 入場料金:一般2,000(1,800)円 大高生1,600(1,400)円 中小生700(500)円
※( )内は前売および20名以上の団体料金。
※未就学児は無料(ただし、要保護者同伴)。
※学生料金で入場の際には学生証をご提示ください。
※障がい者手帳などをご提示の方と付き添い1名までは無料。
※上記料金で2階総合展示と3階フィルムシアターもご覧いただけます。(ただし、催事により別途料金が必要な場合があります。)
※前売券は2026年5月1日(金)〜7月3日(金)までの販売(会期中は当日券のみ)。
京都文化博物館、 公式オンラインチケット(e-tix)、 ローソンチケット(Lコード:56468)、 アソビュー!、 セブンチケット(セブンコード:113-787)、 イープラス、 近鉄駅営業所ほか
1.前売ペアチケット:3,400円(税込)
一般2枚一組のチケット。おひとりが2回使用することも可能です。
2.ファブリックノートセット券:8,900円(税込)
マリメッコのファブリック(布)による装丁を施した「Marimade ノート A5」と、入場券1枚のセット。

※本展入場券とグッズ引換券が別々に発券されます。両方お持ちください。グッズは会期中に3階特設ショップでお引き換えください。
※お一人様1枚まで購入可能。
※画像はイメージです。デザインはお選びいただけません。
※「Marimade ノート A5」の3階特設ショップでの販売はありません。
1960年代から近年のコレクションまで、厳選された約70点のドレスが一堂に会します。「ドレスをキャンバスに」という創業者アルミ・ラティアの思想を具現化した、シルエットとプリントの融合を紹介します。
マリメッコを象徴するアイコニックな模様は、どのようにして生まれるのか。その創作の舞台裏を、貴重な資料とともにご紹介します。自然の風景から描かれたスケッチや切り絵、そして本展のキービジュアルを飾った模様の一部の原画を展示。一枚の紙に描かれたドローイングが、人々の心を惹きつけるファブリックへと形を変えていく過程をご覧いただけます。
デザインが産声を上げるヘルシンキの「プリント・ファクトリー」をテーマに、アートユニット・plaplaxが新たな作品づくりに挑みます。職人の手仕事に宿る「ダイナミズム」と映像表現が融合する空間で、一つの模様がプリントとして生まれる瞬間を体感いただけます。
デザイナー・皆川 明がマリメッコとの対話を重ね、独自の視点で「マリメッコ」を再解釈した新作インスタレーションを展示します。マリメッコが大切にしてきた「クリエイティブな共同体」という精神を体現するこの試みは、国境を超えた創造の対話であり、これからのデザインが持つ力を展望します。同時に、時代を超えて愛されるマリメッコ独自のアイデンティティを映し出しています。
1951年、戦後フィンランド復興とともに、マリメッコ(「マリのドレス」の意)は生まれました。創業者のアルミ・ラティアは、夫の経営するオイルクロスのプリント工場で、若い数名のアーティストをファブリックデザイナーとして起用し、革新的なデザインを生みだしました。同年5月には大胆なファブリックの使い方を提案する初のファッションショーを開催し、成功をおさめます。50年代後半には国際的な展開を進め、60年に次期アメリカ大統領の妻ジャクリーン・ケネディが7点のドレスを購入したことで、世界的に知られることとなりました。マリメッコのアイコニックで明るく表情豊かなプリントデザインは、ファッションやグラフィック以外にもインテリアや建築などライフスタイルの全てに広がり、今日まで人々の暮らしを彩ってきました。本章では、貴重なアーカイブ資料や映像、ファブリックの歩み、伝説的なモデル「マリミニ」の物語を通じ、ラティアの価値観がいかにしてタイムレスかつ独創的なデザインへと昇華されたかを象徴的に展示します。

「日常生活に美しさを取り入れたい」というアルミ・ラティアの思いのとおり、マリメッコのプリントデザインは、大胆な色彩のコントラストと心躍るようなパターンが描かれ、暮らしに喜びと自由なインスピレーションを与えてきました。「完全なる不完全さ」とも言われるように、斬新なデザインの背景には、人の手によるぬくもりと、単なる装飾としてではないフィンランドの自然や機能主義、文化が根強く反映されています。
本章ではドレスをキャンバスに見立てることで、現在も息づくマリメッコの美学を、鮮やかで印象的な色や、パターン、走り回れるような機能美に富んだドレスのシルエットを通じて紹介します。

マリメッコは常に、夢を夢のまま留めず、プリントメイキングの技を通じて、独創的なアイデアを現実のものへと変えてきました。プリント・ファクトリーはマリメッコの心臓部であり、創業当時から現在もなお、アルミ・ラティアの意思を受け継ぎながら、デザイナーやアーティスト、プリント制作の職人らが協働し数多くの作品を生み出しています。
本章ではイメージを形づくる場——デザイナーやプリント・ファクトリーに着目し、映像、ファクトリーの道具や資料、デザイン画を通じてマリメッコの創造のプロセスを可視化します。また、アートユニット・plaplaxがプロジェクションによるダイナミックな展示空間を創作。マリメッコのひらめきが形になる世界を体感いただきます。

人と人との交流は、マリメッコにとってプリントメイキングの根幹を成すもので、「人々が集えば本物で意味あるものを創造できる」という信念のもと、今日までに多くのクリエイターたちと共同作業しながら新しい創造性を生み出してきました。
今回は、マリメッコとは異なる文化や視覚的要素を持ちながらも、その「ものづくりの精神」においてマリメッコとの繋がりを持つデザイナー・皆川 明を取り上げます。本展のために、皆川がデザインし、マリメッコのプリント・ファクトリーで制作されたファブリックを用いて、皆川とマリメッコとの創造的協働の象徴となるインスタレーションを公開します。

Photo :Yayoi Arimoto
ファッション・テキスタイルブランド「mina perhonen」創設者、デザイナー
1995年に「mina perhonen(ミナ ペルホネン)」の前身である「mina」を設立。ハンドドローイングを主とする手作業の図案によるテキスタイルデザインを中心に、衣服をはじめ、家具や器、空間ディレクションなど、日常に寄り添うデザイン活動を行っている。国内外のテキスタイルブランドへのデザイン提供、新聞・雑誌の挿画なども手掛ける。2006年毎日ファッション大賞、2015年毎日デザイン賞、第66回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2025年毎日ファッション大賞選考委員特別賞受賞、フィンランド獅子勲章騎士一級章受章。
Marimekkoは創業以来優れたデザイナーによって時代とその暮らしを照らすテキスタイルデザインを発表してきました。今日までそれらのデザインはフィンランドにとどまることなく世界中の人々の暮らしにおいて楽しさと心豊かになる感動を生み出しています。そしてどのデザインも時代的な流行に流されることなく時代を受け継ぐクリエイティブチームによって大切にアーカイブとして復刻やアレンジを加えながら現代的な価値を持ち続けています。今回のインスタレーションでは、Marimekkoが積み上げてきた歴史から生まれるDNAや、それらが繋がっていく様子を表します。鑑賞者には楽しさと美しさ、そしてMarimekkoの未来への期待を感じていただけたらと思います。
左から小原 藍、近森 基
みる人と作品がお互いにやりとりをする作品づくりを軸に、展覧会の構成や、空間の演出、映像の企画制作など領域を横断しながら活動している。扱うテーマやモチーフのなかに潜んでいる物語を掘り下げ、創造的な学びや発見のある体験づくりに取り組む。近年の仕事に、「デザインあ展(2013、2018-2021、2025-)」、「いわさきちひろぼつご50ねん こどものみなさま(2024)」の年間展示ディレクター、「レオ・レオーニの絵本づくり展 (2025)」3章レオレオリウム!の展示構成、 Eテレ「デザインあneoコーナー パラメーター(2021~)」の企画制作など。
https://plaplax.com/
今回の制作にあたり、ヘルシンキのMarimekko本社のプリント工場を見学する機会をいただきました。外光溢れる工場では、Marimekkoのシャツを纏った個性豊かな職人さんたちがそれぞれの仕事をしていて、中でも、シルクスクリーンプリントの工程は特に印象深いものでした。真っ白の生地の上に、色ごとの版がセットされ、職人がインクをピュッと版の上に投げ広げると、丸棒がコロコロとインクを押し広げ…。色鮮やかな形が次々に重なり、馴染みの柄になっていく様子は、本当にずっと見ていられる光景でした。展示ではこの工程を、大型のインスタレーションでご紹介します。模様に込められたデザイナーたちの思いや工夫、フィンランドの息遣いを会場で感じていただけたらと思います。
Photo: Masaki Ogawa
アートディレクター・グラフィックデザイナー。2003年より服部一成氏のもとで活動し、2014年に独立、田部井美奈デザインを設立。広告、書籍、パッケージ、展示、空間構成などの領域において、色彩や幾何学を軸に、平面と立体を行き来するような視覚表現に取り組む。主な仕事に「武蔵野美術大学」のイメージビジュアル、「マティス展」、『奥能登半島/石川直樹』『ミライの源氏物語/山崎ナオコーラ』の装丁、「(NO) RAISIN SANDWICH」、「Mame Kurogouchi」のパッケージデザイン、展示「光と図形と、その周辺」など。第28回亀倉雄策賞、2019年東京ADC賞など受賞。AGI(国際グラフィック連盟)会員。
https://minatabei.com/
Marimekkoのプリントデザインは、色彩・形・構成によって、ファブリックのためのパターンにとどまらず、グラフィックとしての強い魅力を持っていると感じています。それが、どの時代においても新鮮なビジュアル表現として成立し続けている理由のひとつだと思います。本展のキービジュアルでは、異なる時代に3人のデザイナーが制作した図柄を、重なり合うように構成し、新たな色、形が生まれています。さらに文字要素が加わることで、すべての要素が対等な関係で混ざり合い、互いに呼応し合うような状態を目指しました。この感覚は、私自身のグラフィックデザインの実践とも深く重なっています。

展覧会のキービジュアルは、3人のデザイナーによるファブリックパターンの模様で構成されています。マリメッコのプリントデザインにおいて特徴的なのは、有機的で手作りの温もりを感じさせる表現であり、マリメッコが不完全さの美しさと呼ぶ感覚です。わずかな揺らぎやムラをあえて残すことで、プリントに生命感が生まれます。また、フラットスクリーン印刷による色の重なりから生まれる「第三の色」も重要な要素。色彩が重なり合うことで、奥行きと豊かさを感じさせます。
これらの要素を反映し、「マリメッコ」を表現したキービジュアルをデザイナー・田部井美奈が制作しました。
右上:Klaava by Annika Rimala(アンニカ・リマラ)
フィンランド語で「コインの裏」を意味する「Klaava」は1960年から1982年までマリメッコでデザイナーとして働いていたアンニカ・リマラが1967年に制作しました。ヤングカルチャーからの影響を最も強く受けていた時代に制作されたリズミカルな作品です。
下:Viidakko by Pentti Rinta(ペンッティ・リンタ)
フィンランド語で「ジャングル」を意味する「Viidakko」は1969年から 1987 年までマリメッコでデザイナーとして働いていたペンッティ・リンタが 1981年に制作しました。熱帯の巨大な空想の花々が描かれ、まるで冒険への誘いのようです。彼は、小さく抑制されたプリントも、印象的で目を引く大胆なパターンも、同様に見事に制作しました。
左上:Seppel by Antti Kekki(アンッティ・ケッキ)
フィンランド語で「花輪」を意味する「Seppel」はアンッティ・ケッキが2022年に制作しました。ウニッコ誕生60周年を記念し、マイヤ・イソラのアイコニックな「ウニッコ」に寄り添うデザインとして誕生しました。 特に、花の茎が柔らかな弧を描いて重なり合い、木の輪に似ていることからインスピレーションを得ています。華やかなセッペル柄は、ケッキの得意とするスタイルを生かし、紙を切り抜き、曲線を組み合わせたものです。
Marimekkoについて
マリメッコはフィンランドのデザインハウスであり、世界に先駆けて誕生したライフスタイルブランドのひとつ。1951年にアルミとヴィリヨ・ラティア夫妻によって設立され、喜びにあふれた人生とよりよく生きるための哲学を体現することをモットーとする。
高い美的感覚に基づくプリントづくりの技で世界的に知られ、ヘルシンキにある自社のプリント・ファクトリーでは、アーティストやデザイナーたちが熟練した職人たちと協力し、オリジナリティを追求している。すべての製品を —ドレスであれ、食器であれ、テキスタイルであれ— アートを生み出すキャンバスと捉えている。
マリメッコの基盤となるデザイン哲学は、価値と質の両面において、永きにわたり色せることのないタイムレスなデザインを創造することである。
※事前申込不要。参加費無料(ただし、当日の入場者に限ります)
8月の毎週木曜日はおしゃべりしながら観覧OK! 感じたことを話したり、好きなデザインを見つけたり。みんなでマリメッコの世界を楽しみましょう。