コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより
2024.2.17(土) 〜 4.14(日)
シャネル、ディオール、スキャパレッリ—
静かに輝く自由の誇り
ネックレスやブローチ、イヤリングといった宝飾品は、かつて高価な宝石や貴金属で作られ、権力や富の象徴として、特別に高い階級の男性が自身を飾り、妻や娘に身につけさせるものでした。
20世紀初頭に女性をコルセットから解放したことで知られるフランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレは、自身の発表した全く新しいドレスを際立たせるため、高価な素材を用いないジュエリーを女性の服飾に取り入れた先駆者です。1920 年代には、かのシャネルが模造パールやガラス素材のジュエリーを手がけ、それらは社会進出を果たした女性たちから絶大な支持を得ました。これらのジュエリーはやがてアメリカで爆発的発展を遂げ、「コスチュームジュエリー」という名前を得て、個性的で斬新な様式美によって女性たちに、強い自信と、勇気と、輝きをそえてきました。
本展は、コスチュームジュエリーにスポットをあてた世界的にもまれな展覧会です。研究家でコレクターでもある小瀧千佐子氏の貴重なコレクションより選りすぐった約450 点の作品を通して、自由にデザインされたコスチュームジュエリーの世界をご紹介します。
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公式SNS Instagram @costumejewelry_kyoto
京都文化博物館、アソビュー!、ローソンチケット(L コード:51831)、セブンチケット(セブンコード:103-387)、イープラスほか
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本展は、コスチュームジュエリーに特化した国内初めての展覧会です。コスチュームジュエリーの始まりからヨーロッパにおける展開、アメリカでの発達と大衆化へ、社会とともにコスチュームジュエリーがたどった軌跡をご紹介します。コスチュームジュエリーという言葉にこれまでなじみのなかった方にも、楽しみながら理解していただけます。
本展でご紹介する作品は、国内有数のコレクター小瀧千佐子氏の長年にわたるコレクションより選りすぐった約450点の逸品です。高価な宝石や貴金属を用いないコスチュームジュエリーが上流階級の女性たちを虜にしたのはなぜなのか、展示をご覧になれば納得いただけるはずです。図録にも、美しい図版とともに小瀧氏の知見がちりばめられています。
コスチュームジュエリーは、コルセットから女性を解放した新しい時代のドレスとともにうまれました。本展では、神戸ファッション美術館所蔵品よりシャネル、ディオール、スキャパレッリのドレスを展示し、小瀧氏がコーディネートしたジュエリーと合わせてご覧いただきます。コスチュームジュエリーが当時の女性にどのように受け入れられ、個性を際立たせ、同時に輝かせるために大切な小道具であったのか、想像してみてください。ヨーロッパの服飾に関心の高い方にも楽しんでいただけることでしょう。
コスチュームジュエリーは、1910年代にフランスでオートクチュールのドレスを引き立たせるジュエリーとして誕生しました。第 1章では、 20世紀初頭のモード界を代表する3人のデザイナー、シャネル、ディオール、スキャパレッリの作品を中心に紹介します。
いまなお古びない存在感に輝くジュエリーたちは、ジュエリー文化の転換期をリードするデザイナーたちの意気込み、それにこたえて卓越の技をおしみなくふるった職人たち、新しい時代のドレスとジュエリーをまとって心を躍らせた女性たちの姿をしのばせます。
シャネルたちの活躍をうけて、1930年代には、さまざまなオートクチュールメゾンがコスチュームジュエリーをてがけるようになりました。ファインジュエリーの長い伝統が背景にあるヨーロッパのデザイナーたちによるコスチュームジュエリーは、品位の高さを感じさせつつ、それぞれ個性豊かに花開きます。そして、高価な宝石や貴金属から解放され、ガラスや樹脂、メタル、模造パール、羽根など自由な素材で思う存分表現力が発揮されるようになりました。
アメリカでは、海を渡ってやってきたシャネルやスキャパレッリのコスチュームジュエリー、バッグ、帽子などがデパートを通して受容されていました。コスチュームジュエリーの需要は次第に高まり、アメリカでもコスチュームジュエリーの生産が行われることとなりました。
ヨーロッパで発達したコスチュームジュエリーに影響されながらも、ファインジュエリーの伝統にしばられず、自由でユニークな発達を遂げました。そして、大企業による工場での大量生産がおこなわれるようになり、安価で品質の安定したコスチュームジュエリーが庶民の手にも入るようになりました。
多くのコスチュームジュエリーには、装飾として様々な形態のガラスが使用されています。
そのうち、もっとも繊細かつ幅広い色彩の表現が可能なガラスが、ヴェネチアンビーズといえるでしょう。二万色ともいわれる豊かな色数を誇り、インパクトのある大胆な色彩の組み合わせや、深く重みのあるグラデーションを可能にします。さらにヴェネチアンビーズの中には「コンテリエ」と呼ばれる、まるで芥子の一粒の様にごく小さなものがあります。写真のネックレスとブレスレットは、例にもれず大変美しいヴェネチアンビーズで制作されており、グラデーションの巧みさに加え、細部を注視するとコンテリエビーズが効果的に配されていることがわかります。
執筆:パナソニック汐留美術館
※すべて小瀧千佐子蔵
本展監修者 小瀧千佐子氏がデザイン監修したヴェネチアンビーズのネックレスをお作りいただきます。はじめに歴史深いヴェネチアンビーズについて小瀧氏から解説をいただいた後、ゆっくり制作いたしましょう。ネックレス作りがはじめての方も安心してご参加ください。
本展覧会にちなみ、アクセサリー作家が大集合!アクセサリーづくりを楽しめるワークショップも同時開催します。