福井勇─ あいまいな輪郭
2024.8.3(土) 〜 9.23(月・祝)
福井勇は1908(明治41)年、京都府綾部市に生まれました。京都府師範学校を卒業した福井は京都市立下鳥羽小学校に勤務、教職のかたわら絵を学び始めます。1930(昭和5)年頃から関西美術院に通い黒田重太郎の指導を受けた福井は、二科展や京都市美術展覧会(市展)を発表の場とし、画家としての経験を重ねていきました。
戦後は京都市立小・中学校で教鞭をとりつつ、行動美術協会を拠点とした制作活動を展開します。教育者としての生活の中に、柿や柘榴、虞美人草、そして終の住処となる亀岡の風景を眺め続けた画家・福井の、深く静かな絵画世界が構築されていきました。空間全体を柔らかく包み込む背景の中を、揺るぎない「もの」の輪郭が静かに漂います。行動美術協会の画家・向井潤吉は、福井のことを「黙柿亭」と呼称しました。
本展では、霧深い亀岡の盆地を拠点として、身近なモチーフや風景を描き続けた画家・福井勇の、柔らかく豊かな絵画世界をご覧いただきます。
いずれも14:00~(30分程度)、展示室内で行います。
※事前申し込み不要。ただし、当日の入場者に限る。
(「足利将軍、京都に住まう。」展と同時開催)