足利将軍、京都に住まう。
2024.8.3(土) 〜 9.23(月・祝)
京都の地に武家政権を樹立した室町幕府。歴代の足利将軍は、この地に居所を定めて執政に当たりました。足利将軍の邸宅としては、三代将軍義満が上京の室町通沿いに築いた“花の御所”室町殿が有名ですが、京都文化博物館の近隣にも、二代義詮や四代義持らが利用した三条坊門殿が営まれました。
本展では、これら将軍御所の歴史をたどりつつ、将軍たちの暮らしぶりを探ります。近年新たに紹介された京都府立京都学・歴彩館所蔵文書からは、足利将軍にまつわる先祖供養の仏事や、官職の昇進を祝う宴会、新居への引っ越しを記す資料を、紹介後初めて展観します。あわせて、国宝『東寺百合文書』に含まれる室町幕府関係の古文書や、“花の御所”室町殿跡から発見された数々の出土品も展示します。本展が、豊かな京都の歴史と文化に触れていただく機会となりましたら幸いです。
中古京師内外地図(写/原本は、江戸時代 寛延3年〈1750〉)に描かれる、室町殿(左・画面下が一条大路)と三条坊門殿(右・画面下が三条大路)。 比定地や名称に混乱が見られますが、応仁の乱以前の京都の姿を考証した貴重な地図です。
当館に近い三条坊門殿には、足利尊氏の弟直義と、直義失脚後は尊氏息子の義詮が居住しました。なお、義詮は隣地に新たな“三条坊門殿”を建造し、この新邸が以後もたびたび利用されることとなります。
足利義満は、上京に“花の御所”室町殿を建設し、のちに北山殿へ移るまでここで政務を執りました。
恒例の仏事、昇進祝い、新居への引っ越しなど、足利将軍たちの知られざる京都生活にも迫ります。
※京都府立京都学・歴彩館所蔵資料の画像(【1】を除く)は、 京の記憶アーカイブより。