いけばなの世界展
2023.8.19(土) 〜 10.15(日)
「いけばな」とは自然の草花や樹木を素材として、器に活ける日本独自の伝統的芸術。古くは花を神の依代として神聖化し仏前に供えたり、また純粋に美の対象として鑑賞したのが始まりです。
いけばな形式の成立は、室町時代の座敷飾の室礼から発展したもの。南北朝から室町時代後半にかけて中国から唐絵、唐物の流入が増加し、これらの鑑賞に適した場所として床の間が発生します。足利義政のころから床飾りの方式が整備され、側近の同朋衆が多種多様な芸能分野で活躍しますが、その中に文阿弥のように花をたてることを専門にする名人が現れます。そこに「たて花」、のちに「立花」と呼ばれる様式が生まれます。このスタイルを大成させたのが、二代池坊専好で、その後池坊立花は最盛期を迎えます。江戸時代の半ばころには、型を重視する池坊に対して、草木花の自然のありのままの姿を生かす「抛入花」も愛好されます。町人たちにも裾野はひろがり、様々な流派が生まれ現在に至っています。
本展は、2022年に京都府に寄贈された宮本溪雄氏のコレクションを中心にいけばなの歴史を辿ります。