Leonardo da Vinci and The Battle of Anghiari -The Mystery of Tavola Doria-
▲作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《タヴォラ・ドーリア》(《アンギアーリの戦い》の軍旗争奪場面) 16世紀前半 油彩とテンペラ/板 85.5×115.5cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館(2012年、東京富士美術館より寄贈)
開催趣旨
レオナルド・ダ・ヴィンチの未完の大壁画計画《アンギアーリの戦い》は、今も多くの謎と痕跡を残しています。同壁画はイタリア・ルネサンス美術の歴史の中でも、最も野心的な装飾計画のひとつとされています。シニョリーア宮殿(現パラッツォ・ヴェッキオ)を舞台にレオナルドとミケランジェロが戦闘画において競演したエピソードは大変有名ですが、レオナルドの壁画と同じ広間に描かれるはずだった《カッシナの戦い》についてもミケランジェロの原寸大下絵に基づく模写によって知ることができるのみで、その計画の全貌はいまだ明らかにされていません。レオナルドはこの壁画を完成させることができませんでしたが、部分的に描かれた壁画はその後、半世紀以上のあいだ人々の見るところとなりました。しかしその壁画は、最終的に1560年代にジョルジョ・ヴァザーリの新たな壁画装飾によって覆われてしまいました。それでもレオナルドの作品は、激烈な戦闘場面を描く絵画表現の新しい基準を確立し、その後に続く世代の芸術家たちに大きな影響を与えることとなったのです。
本展のメイン作品は、失われたレオナルドの壁画の中心部分をなす「軍旗争奪」の戦闘場面を描いた、日本初公開の《タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)》として知られる著名な16世紀の油彩画です。本展ではさらにミケランジェロが構想した壁画の原寸大下絵を模写した、同じく日本初公開の16世紀の板絵《カッシナの戦い》が出品されます。原作が失われた二大巨匠の壁画が、いずれも本邦初公開の貴重な板絵作品により500年の時を超えてならびあう、イタリア美術史上初の展示が日本で実現する運びとなりました。レオナルド自身による同壁画の習作素描、レオナルドの構図に基づくその他の模写作品や派生作品、関連する資料類、関連する歴史的人物の肖像画など《タヴォラ・ドーリア》を中心に《アンギアーリの戦い》に関する作品・資料を一堂に集めた初の企画展として、レオナルドが試みた視覚の革命を検証し、イタリア美術史上の一大エピソードである失われた壁画の謎と魅力に迫ります。
基本情報
レオナルド・ダ・ヴィンチと 「アンギアーリの戦い」展
~ 日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎~
- 会 期:
- 平成27年8月22日(土)~11月23日(月・祝)
休館日:月曜日(ただし祝日は開館、翌平日休館) - 開室時間:
- 午前10時から午後6時まで(毎週金曜日は午後7時30分まで)
※入場はそれぞれ閉室の30分前まで - 会 場:
- 京都文化博物館 4階・3階特別展示室
- お問合せ:
- 050-5542-8600 (ハローダイヤルサービス:8:00-22:00)
- 主 催:
- 京都府、京都文化博物館、京都新聞
- 共 催:
- 京都市
- 特別後援:
- イタリア共和国大統領
- 後 援:
- 外務省、文化庁、イタリア文化財・文化活動・観光省、イタリア大使館、イタリア文化会館、フィレンツェ市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、京都商工会議所、(公社)京都府観光連盟、(公社)京都市観光協会、歴史街道推進協議会、KBS京都、エフエム京都
- 特別協賛:
- セコム、日本製紙
- 協 賛:
- 大林組、関電工、大日本印刷、みずほ信託銀行
- 協 力:
- NHKエデュケーショナル、アリタリア-イタリア航空、日本航空、アルテリア、
ヤマトロジスティクス - 企 画:
- 東京富士美術館
- 入 場 料:
- 一般:1,300(1000)円、大高生:800(700)円、中小生:400円(300円)
*( )内は、前売券および20名以上の団体料金
*上記料金で、2階総合展示と3階フィルムシアターもご覧いただけます。 - 前売券販売日:
- 2015年6月15日(月)~ 8月21日(金)まで
- 前売券販売所:
- 当館、ローソン、チケットぴあ、京阪神主要プレイガイド
関連イベント
音楽会
「ルネッサンスの音楽」
- 日 時:
- 8月22日(土)18:00~19:30 *開場17:30
- 会 場:
- 当館別館ホール
- 定 員:
- 200名 *先着順
- 演 奏:
- 端山梨奈(ソプラノ)、Massimo Marchese(リュート)、Manuel Starapoli(フルート)
- 参加費:
- 無料(ただし、本展覧会入場券(半券可)が必要)*要事前申込 *定員に達したため募集を締切りました。
講演会
「<<タヴォラ・ドーリア>>について考える」
- 日 時:
- 9月12日(土)10:30~12:00
- 会 場:
- 当館3階フィルムシアター
- 定 員:
- 170名 *先着順
- 講 師:
- 越川倫明(東京藝術大学副学長)
- 参加費:
- 無料(ただし、本展覧会入場券(半券可)が必要)*要事前申込 *定員に達したため募集を締切りました。
「レオナルド・ダ・ヴィンチとアンギアーリの戦い」展 記念講演会 8月22日(土)13:00~15:50
【第1部】13:00-14:20「ルーヴル美術館のレオナルド・コレクション」(仮題)
- 講 師:
- グザヴィエ・サルモン氏(ルーヴル美術館素描版画部長)
- 通 訳:
- 大野芳材(フランス語)*壇上マイクによる逐次通訳
- 休 憩:
- 14:20-14:30
【第2部】14:30-15:50「レオナルドの《アンギアーリの戦い》における躍動と感情」
- 講 師:
- マーティン・ケンプ氏(オックスフォード大学トリニティカレッジ名誉教授)
- 通 訳:
- 井口和宏(英語)*壇上マイクによる逐次通訳
- 会 場:
- 当館3階フィルムシアター
- 定 員:
- 150名 *先着順
- 参加費:
- 無料(ただし、本展覧会入場券(半券可)が必要)*要事前申込
*第1部・第2部の入替はいたしません。
*定員に達しましたので募集を締切りました。
「フェルナンダ・コスタ オペラコンサート」Fernanda Costa Special Museum Opera Concert
イタリアオペラのエッセンス。ミラノ・スカラ座でも響いたパワフルで透明感あふれる声による
本格的なアリアやデュエットをお楽しみください。
- 日 時:
- 10月6日(火)午後6時30分開演 *開場 午後6時
- 会 場:
- 当館別館ホール
- 定 員:
- 200名 *先着順
- 演 奏:
- (ソプラノ)フェルナンダ・コスタ、(バリトン)森 琢麿、(ピアノ)北村 麻也子
- 参加費:
- 2,000円(ただし、ご入場の際、本展覧会チケット(半券可)が必要)*要事前申込
-フェルナンダ・コスタ(ソプラノ)-
ミラノ音楽院声楽科卒業。
レッチェにて「ドン・パスクワーレ」ノリーナ役でデビューを果たす。
ミラノ・スカラ座、ローマ・オペラ座、ナポリ・サン・カルロ劇場、ミュンヘン国立劇場などイタリアを中心にヨーロッパの主要な劇場に多数出演。
「アラベラ」(R.シュトラウス)「シンデレラ」(ロッシーニ)「ラ・ボエーム」「ルチア」「リゴレット」「仮面舞踏会」「トスカ」「蝶々夫人」に出演するなど、国際的ソプラノ歌手として活躍している。
*定員に達したため締切りました。

「 ルネサンス美術講演会 ― 高精細画面で見るウフィツィ美術館の名画 - 」
- 日 時:
- 11月22日(日)午前10時30分〜12時
- 会 場:
- 京都文化博物館 3階 フィルムシアター
- 定 員:
- 170名 *先着順
- 講 師:
- 岡田 温司(おかだ あつし) 京都大学大学院人間・環境学研究科教授(西洋美術史・思想史)
- 参加費:
- 無料*要事前申込
*日立製作所作成のルネサンス美術の精細デジタル画像を使用する予定。
