日中平和友好条約45周年記念世界遺産 大シルクロード展
2024.11.23(土・祝) 〜 2025.2.2(日)
世界遺産認定後、中国国外で初めて行われる大規模展覧会
44点の一級文物をはじめ、中国国内27ヶ所の博物館から約200点を公開
東洋と西洋を結ぶシルクロードは、ユーラシア大陸を横断する重要な交易路です。
古来、多くの人や物資が往来し、その要衝には多彩な文化が花開きました。本展では、中国の洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆地域などで発見されたシルクロードの遺宝を紹介します。
日本初公開を含む約200点の作品を通して、その悠久の歴史をお楽しみください。
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京都文化博物館、 公式オンラインチケット、 ローソンチケット(Lコード:51329)、 チケットぴあ(Pコード:687-014)、 セブンチケット(セブンコード:106-721)、 イープラス、 CNプレイガイド、 アソビュー!、 楽天チケット、 KKDAY、 近鉄駅営業所 ほか
2,700円(税込/一般のみ) ※1名で2回利用も可
中国では北方や西方の騎馬遊牧民を古来「胡」(胡人)と呼んできました。これらはイラン系、トルコ系、モンゴル系など様々ですが、なかでもイラン系のソグド商人は隊商(キャラバン)を組んでオアシス都市を往来し、中国~ローマをつなぐ東西交易だけでなく、文化や宗教の交流にも大きな役割を果たしました。また、北の突厥、南の吐蕃も勢力を増し、独特の文化を残しています。この章では、新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、青海省、遼寧省などの博物館が所蔵する、西方や北方の香り高い遺宝の数々を紹介します。
新疆ウイグル自治区昭蘇県の墓から出土した金製の杯で、虎を象った把手や赤い瑪瑙の象嵌が豪華な印象を与えます。草原地帯の遊牧民の文化との関連が指摘されています。
マニ教の僧侶に宛てた縦書きのソグド語の手紙です。
受取人の僧侶を象徴する白い帽子や、楽人の姿も描かれています。ソグド語はシルクロードの国際共通語として重要な役割を果たしました。
《ササン式銀貨》
7世紀/新疆ウイグル自治区鳥恰県出土/新疆ウイグル自治区博物館
シルクロードの各地でペルシアやローマ、クシャーンなど西方の金銀貨が発見され、流通の実態を知るうえで重要です。それらは西方の王や神の姿が表され、倣製品も作られました。
色鮮やかな唐花文の錦でつくった靴です。つま先が高いのは長いスカートの裾を引っ掛けるためで、中国の影響です。よく似た靴が奈良の正倉院宝物にも見られます。
漢の武帝の時に東西の交通路が開かれ、以後、大都市の長安や洛陽を中心に西方の文化が採り入れられていきました。多民族国家といわれる唐時代になると中国に居住する胡人も増え、国際色豊かな社会状況を反映して、異国風の装いや美術、音楽が流行しました。この章では、唐時代の名品を中心に、甘粛省、陝西省、河南省、山西省、河北省、浙江省、江西省の博物館の所蔵品を紹介します。
甘粛省武威の漢代の墓から出土した青銅製の車馬隊です。墓の主人や夫人の車を騎馬隊が囲み、馬は口を開いて激しくいなないています。外敵から国をまもる強力な騎馬軍団を髣髴とさせます。
西方世界で愛用されたリュトン(角製の杯)を真似た陶器です。把手部分を鳳凰の頭の形につくり、器の全面に浮き出す華やかな植物文を、鮮やかな三彩釉がさらに引き立てています。
ふくよかな顔と優雅な立ち姿は典型的な唐美人を表現しています。藍色の襦(肌着)や長いスカート、斜めに掛けるショールなどには鮮やかな釉(三彩)をかけ、顔や頭は彩色を施しています。
唐の第二代皇帝太宗の妃の墓に描かれていた壁画です。「深目高鼻」で筒袖の胡服をまとう外国人が西方馬の首を押さえながら献上する場面を、力強い筆遣いで描いています。
六花形の脚付きの杯。側面には乗馬や狩りを楽しむ人々、獣や鳥、花などをあらわし、余白を細かな魚々子(円文)で埋めています。燦然と輝く金器は唐時代の華やかさを伝えています。
西暦1世紀ごろシルクロードを通って中国に伝えられた仏教は、経典の漢訳によって広く理解されるようになりました。また、仏像や仏教絵画の制作も盛んになり、地域や民族の趣向に適応して新たな発展を遂げました。この章では、トルファンと敦煌で発見された経典や、新疆、敦煌、さらに中原の各地で収蔵されている仏教美術の優品を紹介します。
砂漠の大画廊と称される敦煌莫高窟から1900年に偶然発見された敦煌文書の一つで、北朝期の貴重な写経の遺品です。『妙法蓮華経』(法華経)は東アジアで広く信仰されました。
トルファンのベゼクリク石窟で発見された「観音経」の断簡で、559年に書写されています。トルファンは5~7世紀に仏教を奉じた高昌国が栄え、玄奘三蔵も立ち寄っています。
ダンダンウイリクの7~8世紀の仏教遺跡から2002年に発見された如来像壁画で、丸い顔と鋭い視線が印象的です。輪郭線の赤色や、眉と頭髪に施された青色が鮮やかです。
河南省の世界遺産龍門石窟に近い奉先寺遺跡から出土した唐時代の菩薩像です。胴を極端に絞る美しいプロポーションで、右脚を下す自然な体勢や豪華な装飾品はインドのグプタ美術の影響です。
本展音声ガイドのナレーションは石坂浩二さんが担当します。ぜひ、ご期待ください!
ご利用料金 650円(税込)