近衞家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝4古典の英華 ー『源氏物語』と古筆切ー
2014.9.6(土) 〜 11.3(月・祝)
京都市右京区に所在する公益財団法人陽明文庫には、平安時代以来の貴重な歴史資料が数多く収蔵されています。陽明文庫は、摂政・関白という朝廷の要職に就いた藤原氏五摂家の一つ、近衞家の御蔵を継承した機関で、平安時代から幕末にいたるまでの公家資料の一大宝庫となっております。
今回の展示では、これらの収蔵資料の中から、『源氏物語』と古筆切を中心に、近衞家に伝わった王朝文化の世界をご紹介いたします。
近衞家の遠祖である藤原道長こそは、平安時代最高の権勢を誇り、その後も長く貴族社会で理想視された貴族でした。2013年にユネスコ記憶遺産に登録された藤原道長の日 記『御堂関白記』(国宝)のなかから、彼の自筆本と数十年後にそれを書写した古写本を並べて展示します。
平安時代はまた、平仮名が生まれ、それを用いた文学が発達した時代でもありました。過去の長い期間に多くの人々の模範となり、また愛好されてきた著述・作品を古典といい、特にすぐれて味わいのある詩や文章を英華(えいか)といいます。
『源氏物語』や『古今和歌集』をはじめとする和歌集は、まさしく英華と呼ぶにふさわしい、平仮名を用いた散文・韻文の古典です。一流の能筆家が最高級の料紙に記した古典の英華をお楽しみ下さい。
■国宝 | 藤原道長筆 | 御堂関白記 自筆本 寛弘元年上巻 | 前期 |
■国宝 | 藤原道長筆 | 御堂関白記 自筆本 寛弘七年上巻 | 後期 |
■重要文化財 | 藤原基俊筆 | 和漢朗詠集巻下断簡(多賀切 | 前期 |
■重要文化財 | 伝藤原俊忠筆 | 六条斎院歌合断簡(二条切) | 後期 |
■重要文化財 | 源氏物語 | 前期・後期(帖替え) | |
■重要文化財 | 伝藤原為家筆 | 後拾遺抄 上 | 前期 |
※展示資料は都合により変更する場合がございます
「源氏絵の時代―近世の京都と源氏物語―」「近衛家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝4」について、担当学芸員が解説いたします。