祇園祭−
2016.4.16(土) 〜 6.26(日)
四条室町は別名を「鉾の辻」とも呼ばれ、祇園祭に登場する山鉾が集結する場所として知られています。その鉾の辻の一角にお町内があるのが月鉾です。鉾の頭頂部にそびえ立つ天王座に
月鉾の大屋根には漆黒の
そして、月鉾の象徴でもある三日月形の鉾頭は町内に数点が伝来しますが、その中でも「元亀四年」(1573)の銘の入った鉾頭は祇園祭の山鉾の中でも最古の銘文を持つ貴重な品であり、月鉾の歴史の深さを示しています。
今回の展覧会では、絢爛豪華な月鉾の名宝を選りすぐって公開します。月鉾の歴史や文化の素晴らしさをご堪能いただくとともに、祇園祭の奥深さの一端に触れていただければ幸いです。
祇園祭の山鉾の中でもひときわ豪華な装飾に彩られる月鉾。長い歴史と伝統を持つ月鉾には数多くの懸装品が伝来します。時代ごとに意匠を凝らした懸装品によって飾られてきた鉾は、その印象を大きく変えながら町衆によって受け継がれてきました。
今回の展示では、中国大陸伝来の絨毯と伝える「玉取獅子の図と斜め格子牡丹唐草図」の前懸と、「玉取獅子の図八角飾連額」と「玉取獅子の図幾何牡丹唐草額」の二点が継ぎとなった後懸、そして「鳳凰と牡丹に鵲の図」を中央にして「蓬莱山四貝の図」を左右に配した朝鮮毛綴の胴懸を公開します。これらの懸装品はいずれも江戸時代に月鉾を飾った品々で、現在の鉾の様子とはまた違った魅力があります。そのほか、これも江戸時代の品である「下水引・緋羅紗地花鳥霊獣図刺繍 二番水引・金地鶏頭文様錦織 三番水引・紺地蜀江文様錦織」もご覧いただきます。
月鉾には数々の装飾が施されていますがその中のひとつに天井軒裏に描かれた金地彩色の「源氏五十四帖扇面散図」があります。源氏物語の各場面を扇面に見立てて描いたもので、作者は月鉾町に住んでいた岩城九右衛門宗廉と伝えます。この絵に関しては、江戸時代後期の国学者
資料名 | 時代 | 指定等 | 展示期間 |
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前懸 玉取獅子の図・斜め格子牡丹唐草図 | 江戸時代中期 | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
胴懸 (右) 蓬莱山四貝の図 (中) 鳳凰と牡丹に鵲の図 (左) 蓬莱山四貝の図 | 江戸時代 | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
後懸 (右) 玉取獅子の図八角飾連額 (左) 玉取獅子の図幾何牡丹唐草額 | 江戸時代前期 | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
下水引 緋羅紗地花鳥霊獣図 二番水引 金地鶏頭文様錦織 三番水引 紺地蜀江文様錦織 | 江戸時代後期 | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
櫂 銅製金鍍金 大錺屋勘右衛門作 | 元亀4年(1573) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
鉾頭 銅製金鍍金月形 大錺屋勘右衛門作 | 元亀4年(1573) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
鉾頭 銅製金鍍金月形 | 正徳4年(1714) | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
鉾頭 銅製金鍍金月形 | 文化8年(1811) | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
破風軒裏絵 金地著彩草花図 円山応挙筆 | 天明4年(1784) | 重要有形民俗文化財 | 通期 (半期展示替え) |
小天井 唐紙貼金地着彩 源氏五十四帖扇面散図 岩城九右衛門筆 | 天保6年(1835) | 重要有形民俗文化財 | 通期 (半期展示替え) |
妻飾 木彫漆箔著彩 波に兎文様 | 天保6年(1835) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
屋根飾 木彫 鴉 | 天保6年(1835) | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
角飾房掛具 蝙蝠桃霊芝文様木彫漆箔 | 天保6年(1835) | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
見送裾飾金具 牡丹唐草丸文様 | 天保6年(1835) | 重要有形民俗文化財 | 後期 |
角飾金具 扇面に新月文様鍍金 | 文政2年(1819) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
角飾金具 桜花文様鍍金 | 文政2年(1819) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
角飾金具 波文様鍍金 | 文政2年(1819) | 重要有形民俗文化財 | 前期 |
くじ箱 扇文様 | 通期 | ||
城戸千楯 「月鉾天井画乃記」(個人蔵) | 天保6年(1835) | 通期 |
※ 出品する資料は「月鉾天井画乃記」を除いて、全て公益財団法人月鉾保存会の所蔵品です。
「月鉾天井画乃記」は個人の所蔵品です。
※ 都合により展示資料を変更する場合があります。