日本の表装 ―掛軸の歴史と装い―
2016.12.17(土) 〜 2017.2.19(日)
掛軸は、主に平面である絵画・書跡類に、様々な紙や染織品を取り付け、裏から紙で十分に補強して鑑賞出来るようにしたものです。見たいときは吊り下げて広げ、使わないときは丸めて箱に収める。薄い紙や絹といった脆弱な材料で作られた絵画・書跡類を保管し鑑賞するにあたって、掛軸は非常に合理的で便利な特徴を持っています。それはコンパクトで持ち運びができ、必要に応じて幾度も解体し、修理することが出来ます。戦乱や災害を経ても、我が国にこれほど多くの作品や資料が伝来する陰には、ひとえに掛軸という形に想いを込め、工夫を重ね繋いできた先人たちの営みがありました。
また掛軸の装いは、書画の印象を決める最も重要な要素です。貴重な品々にふさわしい美しい、荘厳な装いを求め、各時代の人々は様々な材料を駆使して軸を飾り、また軸を掛ける空間、軸のたたずまいにも念入りに気を配りました。掛軸は単なる書画の枠ではなく、高い美意識に支えられた総合芸術であり、日本文化史の極めて魅力的な部分を作り上げています。本展示では、掛軸の仕立てに込められた先人たちの技術と美意識を広くご紹介します。歴史と風土が現代までつむぎ、残してきた掛軸の文化を、身近に感じて頂ければ幸いです。
特別展「日本の表装 ―紙と絹の文化を支える」
*定員に達しましたので募集を締切らせていただきました。
掛け軸ってどんなもの?学芸員さんと一緒に展覧会を見て聞いて、学ぼう。紙で自分だけの掛け軸を作ってみよう。
*ホームページからのお申込みは締切らせていただきました。
「掛軸」は、現代生活ではもうあまり馴染みがないものかもしれません。たまに見ると言えば、旅館や茶室の床の間に、展覧会の展示ケース…。しかし普段は意識しませんが、よく似たものは意外に生活のあちこちに使われています。掛軸はいつ、どのように生まれてきたのか。掛軸の形と飾り方にこめられた、アジアと日本の悠久の歴史をご案内します。
※ホームページからのお申込みは締切らせていただきました。