京都の画家と考古学 – 太田喜二郎と濱田耕作 –
2017.6.24(土) 〜 8.20(日)
近年、世界各地で文化遺産のより良い保護・継承、そして活用を目指す動きが活発化しています。とりわけ考古学界では、昨年度京都で開催された世界考古学会議(WAC-8)で、現代社会と考古学・考古遺産の関係性向上を目指し様々な議題がとりあげられましたが、そこで新たなテーマとして注目を集めたのが「アートと考古学」です。いま、アーティストと考古学者のコラボレーションが新たな文化遺産の世界を生み出すと期待されています。当館ではこの期待に応えるべく昨年度「アートと考古学展」を開催しましたが、その中で好評をいただいた作品やそれにまつわる人々や物語を、さらに掘り下げていくことを企画しました。
本展覧会では、現代から少し時代をさかのぼり、近代京都の考古学者と画家、とくに日本考古学の父と呼ばれる濱田耕作と、京都そして関西の洋画界を牽引した太田喜二郎をとりあげます。それぞれの分野で重要な功績をあげた二人ですが、彼らが親交を深め共働でユニークな作品も生み出していたことはあまり知られていません。これらの作品は、両分野の重鎮の記録として、日本の歴史の一頁として、そしていま日本の「アートと考古学」草創期の取組事例として高い価値をもっています。本展覧会では、長らく公開の機会がなかった作品を含めた貴重な品々により、二人の事績を紹介します。
作品 | 制作者 | 制作年 |
---|---|---|
石舞台古墳発掘絵巻 | 太田喜二郎 | 昭和8年 |
朝鮮絵巻 | 太田喜二郎・濱田耕作 | 大正13年 |
黄不動拝観絵巻 | 太田喜二郎 | 昭和5年 |
木陰の少女 | 太田喜二郎 | 明治42年 |
老爺 | 太田喜二郎 | 大正3-5年 |
黄海海戦 | 太田喜二郎 | 昭和9年 |
仏画 | 太田喜二郎 | |
濱田青陵肖像画 | 太田喜二郎 | |
歴代天皇御陵図誌 | 濱田耕作 | 明治29年 |
旅の画帖 | 濱田耕作 | 明治37年 |
鷹図 | 濱田耕作 | 明治31年 |
嫩草山 | 濱田耕作 | 明治33年 |
ストックホルム王宮窓外所見 | 濱田耕作 | 昭和2年 |
裸婦像 | 濱田耕作 | 大正8~12年頃 |
短歌短冊 | 濱田耕作 | |
鼎図短歌色紙(複製) | 濱田耕作 | 昭和13年 |
ほか
※事前申し込み不要。参加無料。ただし当日の入場者に限ります。