没後70年 梥本一洋 〜優美なる日本画の世界〜
2022.6.4(土) 〜 7.31(日)
梥本一洋(1893~1952)は、近代京都で活躍した日本画家です。本年は、一洋の没後70年にあたります。これを機に、本展では京都府コレクションを中心とした作品、資料から一洋の画業を振り返ります。
京都の染織図案を営む家に生まれた一洋は、京都市立美術工芸学校・京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)を卒業後、山元春挙に師事し、その画塾・早苗会で研鑽をつみました。文展、帝展を中心に活躍し、大和絵に学んだ優雅な人物画で知られるようになります。1931年頃からは同時代の婦人像を描いた作品を発表、また風景画へと展開します。師の春挙が没すると、同門の川村曼舟に師事して、早苗会の中心的な画家となりました。曼舟没後は、早苗会を解散し、新団体・耕人社を結成し、その中心となります。
当館では2001年秋に特別展「梥本一洋展」を開催しており、本展は21年ぶりの展観となります。一洋の描き出す優美な日本画の世界をお楽しみください。
文展初入選作。文展では左隻だけが入選している。
作品はもともと三幅対で、失われた中幅には山が描かれていた。
それはおそらく、奈良・室生寺のある山だったと考えられる。
「伊吹山絵詞」と能の「大江山」の前半から制作のヒントを得、昼間は美男だが夜 になると鬼になるという姿を描いた。
一洋の妻・そのをモデルにして描いた美人画。1931 年から 33 年にかけての 一洋は、このような同時代風俗も描いた。
一洋らしい大和絵に学んだ表現で、王朝人物、風景を描き、四季折々12か月の風趣を描いている。
静かな漁村農家の後庭を描いたもの。前年の個展で伊東深水に風景を描くことを 勧められたためか、以後風景画を多く描くようになる。
学芸員によるギャラリートーク
日時: 6 月 17 日(金)、7 月 1 日(金)、7 月 15 日(金)
※午後 2 時から展示室内で行います。(30 分程度)
事前申込み不要、当日の入場者に限ります。