工芸、ここが素敵!
2022.1.29(土) 〜 3.27(日)
「工芸」は明治時代に西洋の美術の価値観が入ってきた時に生まれた言葉で、従来からあるものをいくつかの変遷を経ながら「工芸」という枠に囲ってきました。芸術や生活、産業、デザインなどと複雑に絡むなかで構築されてきた概念で、人によって「工芸」と聞いて思い浮かべるものは驚くほど多様です。
作り手側、使い手(鑑賞者)側、ともにジャンルや素材、技法の違いだけでなく、実用性、視覚性、伝統性、創造性など、何を重視しているかによって、それぞれが価値を見い出す点も大きく異なっています。また、これまでもたびたび「工芸」の要素とは何かという問いも発せられてきましたが、唯一無二の定義を求めることは難しく、「工芸」という言葉の存在さえ疑問が呈されることもあります。
本展では、第1部で、日本ならではの工芸の特質や魅力を京都府所蔵品で紹介していきます。第2部では、次代を担っている作家たちが、「工芸」の概念や時代とどのように対峙し、新しい表現に挑戦しているのかをご覧いただきます。従来イメージされる工芸の枠を超えアート的表現の中にも工芸的な魅力が見出せる作品など、1、2部を通じて「工芸、ここが素敵!」を深掘りしていきたいと思います。
第1部
日本ならではの工芸の特質や魅力を京都府所蔵の近現代の作品を中心に探っていきます!
【出品作家】
石田征希、川上力三、小泉武寛、鈴木雅也、藤平伸、水内杏平、村山明、山田光、ほか
第2部
現在京都を中心に活躍している若手作家たちが、どのように「工芸」を捉え、自身の制作に取り組んで
いるか、じっくりご鑑賞ください。
【出品作家】
石塚源太、大石早矢香、中村譲司、野田朗子、宮田彩加、ほか