京都府蔵池大雅美術館コレクション 池大雅
2016.2.26(金) 〜 4.3(日)
池大雅(1723〜1776)は、江戸時代の日本文人画史を代表する巨匠の一人です。大雅が生を受けたのは、江戸幕府成立100年を経て、社会・経済が十分に成熟した江戸時代中期の京都。好学の風に満ちた都市にあって、少年時代から書画に才能を発揮した大雅は、中国の文人文化に憧れつつ書画家としての人生を歩みます。諸国を歴訪して見聞を深め、古今の漢詩、学問とそれを育んだ中国文化への憧憬を、自由でおおらかな独特の筆さばきで表現しました。
大雅は世俗の栄誉を求めず、古代の賢人、詩人のごとく高雅な生き様であったと伝えられています。ただし大雅のそうした生活を支えたのは、彼を保護する多くのよき理解者がいたからとも言えましょう。新たな文化を貪欲に求めていた18世紀という時代にあって、大雅の個性的かつ教養豊かな作品は、上方の町衆から貴族、大名まで多くの支持者を集めました。大雅の生活とその造形作品は、まさしく18世紀の近世社会が産み出した豊かさを物語っています。本展示では、池大雅美術館より寄贈され現在京都府が収蔵する、池大雅のすぐれた書画、貴重な関連資料の数々をご覧頂きます。