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開館

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    Title

    basement #01 五劫のすりきれ

    Date

    2022.9.24(土) 〜 10.10(月・祝)

    会場: 総合展示(1階会場)

    五劫のすりきれ。よく知られた落語「寿限無」にも出てくるこの言葉は、下界に降りてきた天女の羽衣が巨大な岩の表面を撫で、岩が擦り切れるまでの時間を一劫とし、それを五回繰り返すという、ほとんど永遠に近い時間を意味します。私たちの日常的な感覚では、その時間の長さを想像することさえ難しいのですが、しかし興味深いのは、そうした途方もない長さの時間が、羽衣が岩を撫でるという私たちにも経験し得る出来事によって測られている点でしょう。すなわち、この言葉においては、日常的な事柄と非日常的な世界とが飛躍的に結び付けられているのです。
    本展を「五劫のすりきれ」と名付けたのは、今村遼佑と小宮太郎の作品もまた、日常的な事柄と非日常的な世界とを結びつけるものとして成立するからです。両者の作品は、私たちが日常的に目にする物にささやかな操作を施すことによって作られています。そうやって作られる作品は、私たちの慣れ親しんだ日常的な風景としっかりとつながりながら、その中に、いまここにあるものとは異なった時空間のスケールを持った風景を切り開きます。
    1階に新設されたスペースで、両者の作品と向かい合うとき、私たちはどのような風景を見るのでしょうか。ぜひご覧ください。

    キュレーター:植田憲司、はがみちこ、安河内宏法

    基本情報

    会  期
    2022年9月24日(土)~10月10日(月・祝)
    休 館 日
    月曜日(ただし10月10日は開館)
    会  場
    京都文化博物館 総合展示(1階会場)
    開室時間
    10:00~19:30
    主  催
    京都府、京都文化博物館
    助  成
    文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業 

    出品作家プロフィール

    今村遼佑 Imamura Ryosuke
    1982 年京都府生まれ、京都府在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻(修士課程)修了。日常の生活に潜む些細な気配に目を凝らし、音や光を用いて何気ない日常の感覚や記憶を呼び起こす作品を制作する。近年の展覧会に「ねじれの位置と、木漏れ日」(See Saw gallery+hibit、愛知、2021 年)、「いくつかのこと」 (FINCH ARTS、京都、2020 年)、「みえないものをみる」(MA2 Gallery、東京、2020 年)などがある。主な受賞歴に京都市芸術新人賞(2020 年)、「六甲ミーツアーツ公募大賞」受賞(2012 年)、Shiseido art egg 賞受賞(2011 年)。



    今村遼佑《境界線上の光(2019 年と 2020 年の 5 月のアトリエの木漏れ日》 2019-2021 年
    アトリエの前に捨ててあった廃材、LED、
    計測した光のデータ、電子回路、電池
    撮影:前谷開



    小宮太郎 Komiya Taro
    1985 年神奈川県生まれ、滋賀県在住。京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻(博士課程)修了。シェアスタジオ「山中 suplex」メンバー。人間の “みること” の能動性をテーマに、絵画や写真作品、回転するオブジェ、空間を利用した騙し絵(トロンプ・ルイユ)のインスタレーションなど様々な手法で制作を行う。近年の展覧会に「Soft Territory かかわりのあわい」(滋賀県立美術館、滋賀、2021 年)、「MindSights」(MAHO KUBOTA GALLERY、東京、2021 年)、個展「穴の容態」(Art Center Ongoing、東京、2019 年)などがある。



    小宮太郎《PLANT》
    2018 年
    観葉植物、モーター、電池



    総合展示(2階会場) ※ 9月15日(木)〜22日(木)は臨時休館

    2022年8月6日(土)~ 10月2日(日)
    ドナルド・キーン 生誕100年記念 ドナルド・キーンと画家・井澤元一

    2022年8月13日(土)~ 10月10日(月・祝)
    池大雅と玉瀾

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