雛人形名品展
2024.2.24(土) 〜 4.7(日)
冷たい風のなかにも、春が近づいてくるのを感じられる季節となりました。
本年も、京都府コレクションの雛人形から、選りすぐった優品を展示いたします。
旧暦三月三日は上巳の節句(桃の節句)と呼ばれ、雛人形を飾って女の子の健やかな成長を祈る習慣があります。
雛人形は、紙で作った「形代」が起源であると考えられています。紙で人の形を作って体を撫でて、いろいろな穢れをこの形代にうつし、災いを免れるよう願ったということです。中国で、旧暦3月3日の上巳の日に、川で身を洗って穢れをはらう習慣があったものをとり入れたものだといわれます。
いっぽう、小さな女の子がお人形で遊ぶのは少なくとも平安時代からあったようで、「源氏物語」に、若紫が人形で遊んいる場面があります。このお人形遊びと、形代がいつしかいっしょになって、江戸時代初期(17世紀)くらいから、現在のような雛祭の習慣になったといわれています。
本年は、雛人形とともに、雛人形の衣装の原型といえる公家の装束もあわせてご紹介します。
平安時代に完成し、時代とともに変化をしつつもつねに日本の服飾の中心的な存在であった装束の美の世界をお楽しみいただきたいと思います。