池大雅展 ─あるコレクターの視点
2023.10.7(土) 〜 12.3(日)
京都文化博物館では平成7年から、20年以上にわたり毎年「池大雅展」を開催してきました。その契機は、池大雅美術館から平成6年・25年の2度にわけてすべてのコレクションが京都府へと寄贈されたことにあります。池大雅美術館は、昭和34年京都市西京区に設立されました。所蔵品は大雅と妻・玉瀾に関するもので、書画だけでなく書簡や関係資料、大雅が使用していたとされる珍しい品に及びます。その後美術館は平成25年に閉館しますが、「コレクションを広く公開し、研究に役立ててほしい」という意向を受け、京都府への寄贈が決定しました。
現在「池大雅美術館コレクション」と呼称しているこれらの品々は、佐々木米行という初代館長ひとりの手によって収集されたものです。美術品にかぎらず、自分がいいと思ったものを集めて並べてみたい、という気持ちは誰しも持ったことがあるのではないでしょうか。自らが発見したもの、あるいはアドバイスを受けて手に入れたもの、どうしてもと懇願して獲得したものなど、作品の背後にはコレクター自身の歴史があります。
今年度は「作品を研究し、集める」というコレクターのまなざしに注目し、池大雅コレクションの中から数点をご紹介します。コレクターになったつもりですきなところ、見どころを探しながら楽しんでいただければ幸いです。