絵巻~華麗なる物語の世界~
2025.7.25(金) 〜 8.10(日)
長い画面に絵や詞書などを連続して描いた絵巻は、私たちの絵画や物語の鑑賞方法として古くから珍重されてきました。絵巻には、美術的価値とともに歴史資料としての意味もあります。絵巻に表された人びとの様子、服装や食べ物や調度品、それに描かれた建築や祭礼行事などの場面は、往時の貴重な視覚情報を数多く提供してくれます。
このほど、「鳴門中将絵巻」と呼ばれる絵巻の写本が当館学芸員の調査によって発見されました。鳴門中将絵巻は後嵯峨天皇の時代の恋愛物語を題材にしたもので、今回発見された品は江戸時代前期に住吉派の絵師によって製作されたとみられる優良な写本です。この展覧会では同資料の発見を記念してその全貌を展示公開させていただきます。
またそのほかに、「土蜘蛛草紙」や「蝦夷風俗図巻」や「信西舞楽図」など、京都府が所蔵するさまざまな絵巻物7点も関連資料などと共に紹介させていただきます。また、大河ドラマで話題の蔦屋重三郎関連の資料も展示して、江戸時代の出版事情から物語が生み出される背景も紹介します。新発見の資料を含めて、絵巻と物語の世界をどうぞご堪能下さい。