今年度で第7回目を迎える「土曜日の早朝文化財研修講座」は、より多くの方へ伝統文化や文化財保護への関心と理解を深めていただくために開催しております。
 今年度は四ヶ寺にて実施いたしました。参加者のお声を参考に少しずつ内容を改善し、各社寺の方々のご協力を得て取り組んでおり、参加者の方より好評のお声を頂戴しました。 また、毎年楽しみにしている、開催の回数や時期を変えて開催してほしい等のお声があり、参加者の文化財への関心が深まっていることを実感しています。
 文化財鑑賞では、各社寺で丁寧な説明をしていただき、通常の参拝では知り得ない知識,由来を知ることが出来ました。また、講話を聞いたり、坐禅を組んだり、夏の早朝澄んだ空気の中で非日常な時間を過ごす贅沢なひとときを実感していただけました。 今年度の研修講座は第2回の知恩院が雨のため欠席者が多くなりましたが他の回は欠席者も少なく無事に終えることができました、ありがとうございました。今後も、文化財保護の普及・啓発活動に取り組んでいく所存でございます。
 残念ながら、ご参加いただけなかった皆様にはこの場を持ちまして、改めてお詫び申し上げます。また、会場をご提供いただいた各寺院様をはじめ、ご協力いただきました各団体の皆様に改めて御礼を申し上げます。

<本研修会にご協力いただきました団体>
協力/
浄土宗大本山くろ谷金戒光明寺、浄土宗総本山知恩院、
臨済宗南禅寺派圓光寺、黄檗宗大本山萬福寺、
公益財団法人京都古文化保存協会、京都の文化財を守る会、
関西学生古美術連盟、京都文化博物館友の会
後援/
京都府、京都府教育委員会、京都商工会議所、
京都文化財防災対策連絡会

研修会は以下の日程で行われました。
・第1回 7月 2日(土) 金戒光明寺 (参加人数 79名)
・第2回 7月 9日(土) 知恩院   (参加人数 69名)
・第3回 8月20日(土) 圓光寺   (参加人数 39名)
・第4回 8月27日(土) 萬福寺   (参加人数 74名)
 ※前売り券は全て完売しております。
 皆様のご参加、本当にありがとうございました。

【研修会の様子】

▽第一回 金戒光明寺 7月2日(土)

 第一回目の朝がゆ講座は、京都市左京区岡崎にある金戒光明寺です。御影堂にて執事長 芳井秀教師からご挨拶の後、執事 橋本周現師に『金戒光明寺の由緒について』ユーモアを交えた優しい講話をしていただきました。文化財鑑賞では、御影堂内の仏像等について丁寧な解説をしていただき、大方丈では映画のロケなどにも使われる「謁見の間」「虎の間」「松の間」を拝見させていただきました。虎の数が人によって違って見える虎の襖絵は皆さん感心しておられました。白川砂と杉苔のコントラストが美しい「紫雲の庭」で「鎧池」「ご縁の道」の説明を受けた後、清和殿にて、みなさん食前と食後の言葉を唱え、朝がゆをおいしくいただきました。


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▽第二回 知恩院 7月9日(土)

 第二回目の朝がゆ講座は、「知恩院」です。法然上人御堂(集会堂)に集合後、二班に分かれて、「御影堂」と「法然上人御廟、千姫の墓所」の見学をおこないました。御影堂は、現在、平成の大修理をおこなっており、大屋根の大きさや瓦の重さなど、普段間近で見ることができない建物の修理現場を見学することができました。「法然上人御廟、千姫の墓所」の見学は、あいにくの雨の中でしたが丁寧な説明により理解を深めることができました。文化財鑑賞後は月光殿で執事 鶴野重雄師より『知恩院よもやま話』と題して、貴重なお話を伺い、最後に雪香殿で「食作法」を全員で合奏してから、美味しく朝がゆを頂戴しました。


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▽第三回 圓光寺 8月20日(土)

 第三回目は「圓光寺」です。交通の便が少ない中、早い時間帯から数多くの方がいらっしゃっていました。圓光寺では、禅堂での本格的な坐禅体験が好評ですが今回も住職 大坪慶寛師のご説明の後、座禅を二回体験しました。最初は緊張した面持ちだった方も、二回目になると落ち着いて坐禅をしておられたように思います。座禅の後は、書院へ移動して住職のユーモアあふれる講話を拝聴し、「圓光寺版(伏見版)木活字(重要文化財)」を拝見しました。最後に、瑞雲閣で住職から禅宗の食事作法を教わりつつ朝がゆを頂戴しました。閉会後も、皆さんお庭を見学したり、寺宝室の展示を鑑賞したりと、朝の時間を有意義に過ごしていらっしゃいました。


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▽第四回 萬福寺 8月27日(土)

 平成28年度「文化財と朝がゆ体験」講座、最後は宇治市の萬福寺です。中国様式を取り入れた建築や仏像が日本では珍しいお寺です。三門での開会では、教学部長 中島知彦師からご挨拶いただき、文化財鑑賞では廣瀬尊之師、岩佐恭輔師の楽しく丁寧な解説を聞きながら天王殿、大雄宝殿などを鑑賞できました。坐禅体験は普段非公開の法堂で行われ、貴重な体験ができたと皆さま喜ばれていました。坐禅の後は、朝がゆとなり、六人一組で一つの行堂(ひんたん)と呼ばれる桶に入ったお粥を分け合い、食べる作法を教えていただきました。講話では、日常生活で忘れがちな感謝する気持ちや当たり前と思っている事をもう一度考えてみるきっかけになったとのお声をいただきました。


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