開催趣旨

 あいおいニッセイ同和損保所蔵災害資料(旧 同和火災コレクション)は大正後期から戦前期にかけ、同和火災海上保険の廣瀬鉞太郎氏が収集した1400点あまりの資料群です。資料はおおよそ18世紀から20世紀初頭に全国各地で発生したさまざまな災害(地震、火災、台風、落雷、津波、噴火、伝染病など)を網羅し、震災・交通の資料を主としています。中には当時の被災状況を生々しく絵入りで伝えたもの、行政文書、被災範囲を示す古地図なども多く含まれ、災害の恐ろしさを伝えています。
 それだけでなく、復興の様子を記した資料、さらには災害を擬人化してしまおうとする前向きな動きを見られることは、資料群の大きな特徴と言ってよいでしょう。人々の揺れ動く感情、それを乗り越えて後世に被害を伝えてゆこうとする動きは、災害の続く現代を生きる私たちと、驚くほど重なって見えてきます。
 東日本大震災から10年目を迎える今年、これまで社内での限定的な公開にとどまってきた本コレクションを、初公開することとなりました。災害の今までとこれからを見つめ直すひとつのきっかけとしていただきたく、コレクションから約150点をご紹介します。

基本情報

会  期:
2021年3月20日(土)〜5月16日(日)
休 館 日:
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
会  場:
京都文化博物館 2階総合展示室
開室時間:
10:00~19:30(入室は19:00まで)
入 場 料:
一般500円(400円)、大学生400円(320円)、高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※上記料金で、総合展示と3階フィルムシアターがご覧いただけます
(催事により有料の場合があります)
主  催:
京都府、京都文化博物館、NHK京都放送局
特別協力:
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
企画協力:
NHKサービスセンター

【展示構成と主な作品】(予定)

第1章 京都・大坂の災害史平穏にみえる京都、大坂のまちが立ち直るための歴史

・京都(天明の大火・丹後大地震・嘉永3年御所焼失・元治の大火・文政京都地震・鳥羽伏見の戦い)
・大坂(妙知焼け・慶應の暴風雨・大塩焼け・新町焼け・鳥羽伏見の戦い)

新板京繪図 (1788年)
新板京繪図(1788年)

第2章 江戸の災厄と絵画江戸の人は災害をどう表現して、受け入れようとしたのか?

・嘉永の落雷 ・明暦の大火 ・安政の大地震 ・安政江戸台風

明暦大火回向院供養の図
明暦大火回向院供養の図

歌川国芳 焼死大法会図 (1855年)
歌川国芳 焼死大法会図(1855年)

鯰絵 鯰筆を震 安政期
鯰絵 鯰筆を震 安政期

歌川貞秀 四ツ目より天神川通り堤上ニテ江戸の方ヲ見ル図
歌川貞秀 四ツ目より天神川通り堤上ニテ江戸の方ヲ見ル図

第3章 諸国の災害と復興日本全国の災害と復興の歴史

・関東 相模伊豆地震(嘉永6年)
・信越 越後地震(文政11年)/信州地震(弘化4年)/身延地震(嘉永6年)
・東海 濃尾大地震(天保4年)/安政東海・南海地震(嘉永7年)
・中国 安芸洪水(嘉永3年) ・九州 島原噴火(寛政4年)

安芸国大水図
安芸国大水図

歌川国輝 かわりけん(1847年)
歌川国輝 かわりけん(1847年)

第4章 近代の災害とメディア絵画からメディアとしてのリアリティへ

・濃尾地震(明治24年)  ・酒田大地震(明治27年) ・三陸地震津波(明治29年)
・関東大震災(大正12年) ・風俗画報臨時 ・小林清親肉筆画

三代目 長谷川貞信 三陸海嘯絵報(1896年)
三代目 長谷川貞信 三陸海嘯絵報(1896年)

豊原国輝 濃尾大地震後図(1891年)
豊原国輝 濃尾大地震後図(1891年)

京都市民被害者に諸物品を送るの図
京都市民被害者に諸物品を送るの図

小林清親 消火活動(Ⅰ)「火災の図」シリーズの内
小林清親 消火活動(Ⅰ)「火災の図」シリーズの内

第5章 疫病とわたしたち近世、疫病への反応と対策

・病気に効く食べ物や飲み物 ・流行病を皮肉る狂歌

痘瘡治療法
痘瘡治療法

コレクションについて

 大正後期〜戦前期にかけ、同和火災海上保険の廣瀬鉞太郎氏が収集した約1400点の資料群です。おおよそ18世紀〜20世紀初頭にかけて全国各地で発生したさまざまな災害(地震、火災、台風、落雷、津波、噴火、伝染病など)に関わる、震災・交通資料を主としています。
 東京大学地震研究所図書室、旧東京大学社会情報研究所の所蔵資料とともに、日本で最も大規模で重要な災害関係資料群の一つと評されています。また災害の生々しい状況を伝えるとともに、災害を擬人化してユーモラスに描いた資料が含まれていることは特筆に値します。災害当時の瓦版や古典籍、一部に書簡や絵図、災害記録の写本類もあり、充実した鯰絵のコレクションや小林清親筆と伝わる肉筆災害画シリーズもあります。
 現在、コレクションは旧同和火災海上保険を継承した、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が所有し、平成30年度中に京都文化博物館に寄託されました。


◆「伝える-災害の記憶展 あいおいニッセイ同和損保所蔵災害資料」出品リストはこちら