開催要項

京都の学校にはとても多くの考古・歴史関連資料が保管されています。それは、学校の教員や生徒あるいは地域住民が収集し、研究し、今まで継承されてきたもので、学校の歴史や地域の記憶を語りうる貴重なものです。例えば、戦後自ら歴史を明らかにしようとして教員や生徒自身が発掘した出土品、日本各地のことを知ろうとして収集した絵葉書類、地域住民が学校での地域学習のためにと寄贈した歴史資料、考古学者が学校教材にと工夫して開発した模型標本など様々です。いずれも学校という場だからこそ蓄積された、とても内容豊かでユニークなものばかりです。
 そこで本展では、2016年度に続き、府内の複数の学校等と協力しながら、こうした学校保管の考古関連資料やその収蔵にまつわる歴史・物語を紹介します。

北白川こども風土記
「北白川こども風土記」 1959年 
山口書店 京都の北白川小学校の生徒が自分で見て、聞いて、
歩いて調べた学習の成果

1960年代の郷土史部による古墳発掘
1960年代の郷土史部による
古墳発掘(京都府立網野高等学校蔵)

北白川こども風土記原稿
『北白川こども風土記』原稿 昭和34年(1959)頃 京都市立北白川小学校蔵

児童たちの自筆原稿。朱書きの修正があり、教員の指導の様子もうかがえる。

古瓦 奈良時代〜平安時代 銅駝史料館蔵
古瓦 奈良時代〜平安時代 銅駝史料館蔵

少なくとも昭和2年(1927)に学校所蔵となった長岡宮や平安宮の瓦で、大正時代の終わりごろに発掘されたらしい。瓦には発掘地点・日時や瓦にかかわる歴史が細かく記されている。この時期、郷土教育が「一大センセーションを起こした」というほど盛んで多様な郷土資料が各地の学校に集積されており、本品もその歴史を示すものだろう。

離山古墳出土琥珀玉、ガラス玉、碧玉製管玉
離山古墳出土琥珀玉、ガラス玉、碧玉製管玉 古墳時代 京都府立網野高等学校蔵

昭和24年(1949)に遺跡所在地の青年たちによって発掘され、網野高校に保管された。他に土師器類もある。

古墳時代遺物模型
古墳時代遺物模型 大正時代〜昭和時代初期 京都府立網野高等学校蔵

島津製作所標本部が製作販売していた「地理学歴史学用標本」の一部。歴史を直観的に教える国民教育の教材となることを目的としたという。本品が高校で所蔵されていたことは、模型が実際に流通したことを物語る。

坪倉利正氏収集の石器
坪倉利正氏収集の石器 縄文時代〜弥生時代 京都府立峰山高等学校蔵

戦後の丹後の考古学を牽引した坪倉利正氏が教員として峰山高校に勤務した。その坪倉氏の名が記された貴重な資料。左端は浜詰住居跡出土。中央・右の2点は奈具遺跡出土。

土師製筒形容器
土師製筒形容器 鎌倉時代 京都府立久美浜高等学校蔵

仏教経典を保管する容器、いわゆる経筒である。平安時代後期から鎌倉時代にかけて末法思想が全国的に広まった際、仏教の経典が失われないように経典を収める経塚が全国に作られた。左は永留出土。右は郷出土。いずれも丹後の経塚資料として何度も展示・研究に利用された貴重な資料である。

絵葉書 明治時代〜昭和時代前半 京都府立鴨沂高等学校蔵
絵葉書 明治時代〜昭和時代前半 京都府立鴨沂高等学校蔵

京都文化博物館と鴨沂高等学校は平成26年(2014)より連携授業を実施し、同校所蔵品の活用のための取り組みをおこなっている。本品も生徒たちによって整理・記録化された。

家形石棺模型
家形石棺模型(左上)、勾玉及び管玉製作順序模型(左下)、金銅製飾履模型(右上)、踏絵模型(右下)
昭和時代 上野製作所 大阪大学総合学術博物館蔵

大阪大学の前身の一つは、大正15年(1926)大阪府に設立された公立の浪速高等学校である。その旧蔵品には、京都の業者である上野製作所や島津製作所標本部が、大正時代から昭和初期にかけて製作・販売した学校教育・研究のための模型標本が大変良好な状態で継承されている。京都府内の学校でも所蔵が確認でき、戦前に活用された模型標本を知るための好資料である。

白川道中膝栗毛
特別出品 白川道中膝栗毛 谷本研・中村裕太作 平成28年(2016)

 

基本情報

会 期:
2019年3月9日(土)〜4月21日(日)
休館日:
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
会 場:
京都文化博物館 2階総合展示室「京の至宝と文化」
開室時間:
10:00~19:30(入室は19:00まで)
入場料:
一般500円(400円)、大学生400円(320円)、高校生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*上記料金で、総合展示と3階フィルムシアターがご覧いただけます
主 催:
京都府、京都文化博物館
主な出品校・機関:
京都府立鴨沂高等学校、京都府立峰山高等学校、京都府立網野高等学校、京都府立久美浜高等学校、京都市立北白川小学校、銅駝史料館、大阪大学総合研究博物館

関連イベント

①映画上映とトークイベント
「『北白川こども風土記』出版60周年 学校・地域・物語 -『北白川こども風土記』から探る」

日 時:
2019年3月9日(土)13:00〜16:30(開場12:30)
    
※クリックするとチラシが表示されます。

チラシ画像

定員に達しましたので、お申し込みを締め切らせていただきました。

②シンポジウム「学校資料の活用を考える」

日 時:
2019年3月10日(日)

詳しくはこちら
※平成30年度文化庁地域の美術館・歴史博物館を中核としたクラスター形成事業

③ギャラリートーク

日 時:
2019年3月15日(金)、3月29日(金)、4月12日(金)
各日14:00〜、30分程
場 所:
京都文化博物館 本館2階展示室内

※事前申込不要、参加費無料(ただし、当日の総合展示室入場券が必要です)


④映画『北白川こども風土記』上映

日 時:
2019年3月16日(土)10:30〜(開場10:00〜)
場 所:
京都文化博物館 3階フィルムシアター

※事前申込不要(ただし、当日の展覧会入場者に限ります)


映画『北白川こども風土記』/1960年共同映画株式会社作品(モノクロ・50分)/
監督:小坂哲人 監督:依田義賢