京都府内の学校に保管されている様々な考古・歴史資料。皆さんの学校にもありませんか?その資料は様々な来歴を持っています。例えば、戦後すぐ自らの手で歴史を明らかにしようと学校教員や生徒が主体となって発掘調査を実施し、その成果物が残されていたり、かつての人類が生活した遺跡の上に学校があるため、校地内で考古資料が発見されたりしました。また学校教員や卒業生が在校生の郷土・地域学習のためにと考古資料を寄贈しました。こうした来歴の一つ一つに、卒業生や地域の人々の思いや記憶を探ることができます。つまり、学校に保管されている資料は、授業の補助教材にとどまらない価値をもっているのではないでしょうか。そうした可能性を引き出す第一歩として、本展では、京都府内の学校と協力しながら、学校と考古学にかかわる資料をご紹介します。

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▲学習教材『宮ノ平古墳群』(左) 円筒埴輪(中央)
石製品(右 – 臼玉、有孔円板、紡錘車)
京都府立城陽高等学校保管

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▲奉安塚古墳出土の杏葉・鏡板
京都府立福知山高等学校保管


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▲伝・桃山城出土の金箔瓦
京都教育大学附属桃山小学校保管

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▲法成寺跡出土の緑釉瓦
京都府立鴨沂高等学校保管


基本情報

会 期:
2016年8月13日(土)〜10月10日(月・祝)〔51日間〕
休館日:
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌日休館)
会 場:
京都文化博物館 2・3階総合展示室「京の至宝と文化」北室・南室
開室時間:
10:00〜19:30(入室は19:00まで)
入場料:
(京都文化博物館総合展示)
一般:500(400)円、大学生:400(320)円、高校生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*上記料金で、2階総合展示と3階フィルムシアターがご覧いただけます。
主 催:
京都府、京都文化博物館
共 催:
特定非営利活動法人 WAC Japan、世界考古学会議第8回京都大会実行委員会
協 力:
京都府立鴨沂高等学校
後 援:
京都府教育委員会、京都市教育委員会

主な展示品

■横地石太郎寄贈考古資料古墳時代京都府立鴨沂高等学校通期
■法成寺跡出土資料平安時代京都府立鴨沂高等学校通期
■鴨沂高校による発掘出土資料縄文〜古墳時代京都府立鴨沂高等学校通期
■絵葉書、模型明治〜昭和時代京都府立鴨沂高等学校通期
■洛東高校本 山科古図江戸時代京都府立洛東高等学校通期
■宮ノ平古墳群出土の円筒埴輪他古墳時代京都府立城陽高等学校通期
■奉安塚古墳出土の馬具他古墳時代京都府立福知山高等学校通期
■園部付近出土の須恵器古墳時代京都府立園部高等学校通期
■校地出土の土師器、須恵器他古墳〜江戸時代京都市立伏見板橋小学校通期
■校地近辺採集の軒瓦平安時代京都市立松ヶ崎小学校通期
■石山貝塚出土の土器・骨角器縄文時代龍谷大学付属平安高等学校通期
■船橋遺跡出土の須恵器奈良時代龍谷大学付属平安高等学校通期
■陶邑古窯址出土の須恵器古墳時代龍谷大学付属平安高等学校通期
■伝・桃山城出土の金箔瓦室町時代京都教育大学附属桃山小学校通期

備考 WACについて

①「考古学のオリンピック」東アジアで初の開催

 WACは、約130カ国に会員をもつ世界最大規模の考古学の国際組織。総会は4年ごとに開催され、人類の歴史や文化、芸術に興味をもつあらゆる人々が集まる。世界遺産を含む各地調査の最新情報、災害や戦争時における文化財保護の最先端の実践、教育や芸術・観光分野などとの斬新な連携企画など、多彩且つ刺激的なトピックスが扱われる。メンバーにはUNESCOやICOMなど国際機関所属者も多く、世界的影響力をもつ。この地球規模の発信力をもつ総会が、京都で開催される。

②世界考古学会議第8回総会(WAC-8)の予定
期 日:
2016年 8月 28日(日)〜 9月 2日(金)
主要会場:
同志社大学今出川校地、京都市内各地
主 催:
世界考古学会議第8回京都大会実行委員会 
共 催:
日本学術会議、京都市
運 営:
世界考古学会議、特定非営利活動法人 WAC Japan
後 援:
文化庁、京都府、京都府教育委員会、京都商工会議所、京都市国際交流協会、京都文化交流コンベンションビューロー、日本博物館協会、ICOM日本委員会、関係学会など

関連イベント

(1)京都府立鴨沂高等学校生徒による展示案内

日 時:
9月16日(金)、10月7日(金)
◆13時30分〜14時(第1グループ)
◆14時〜14時30分(第2グループ)
◆14時30分〜15時(第3グループ)
※ひとつのグループにつき、約30分、計3回ご案内いたします。
場 所:
当館2階展示室内
参加費:
無料(ただし当日の入場者に限ります)

(2)学芸員によるギャラリートーク

日 時:
8月24日(水)、9月14日(水)14時〜
場 所:
当館2階展示室内
参加費:
無料(ただし当日の入場者に限ります)

(3)ぶんぱく京都講座「京都の学校と考古学のつながり〜学校所蔵資料の魅力とその価値」

日 時:
9月10日(土)10時30分〜
場 所:
本館3階フィルムシアター
講 師:
村野正景(当館学芸員)

(4)ワークショップ「真弧。マコ? Mako!! 〜考古学のヒミツ道具〜」

日 時:
8月28日(日)10時〜17時 ※時間内、随時受け入れ
場 所:
別館2階講義室
講 師:
考古学徒+ちゃいれじ
(鈴木康二・中村智孝(公益財団法人 滋賀県文化財保護協会))
参加費:
無料
共 催:
日本学術会議

(5)シンポジウム「学校の「たからもの」を発掘しよう!学校所蔵考古・歴史資料のこれから」

日 時:
9月2日(金)10時30分〜16時30分
場 所:
当館別館ホール
参加費:
無料
共 催:
日本学術会議
プログラム:

10:30
ごあいさつ 神山俊昭(当館学習普及連携室長・副館長)
10:35
趣旨説明 村野正景(当館学芸員)
10:40
基調講演(講演40分・質疑応答10分)
〜いま、学校所蔵資料の何が課題で、何に取り組もうとしているのか?〜
「京都市の学校所蔵資料の現状と課題〜学校所蔵資料論の構築に向けて〜」
和崎光太郎(京都市学校歴史博物館 学芸員)
「高校考古の過去・現在・未来」
市元塁(東京国立博物館 主任研究員)
12:20
休憩
13:20
事例報告(報告25分・質疑応答10分)
〜府内の学校の所蔵資料と連携の取り組み〜
「学校と博物館と地域の連携〜考古資料を中心に〜」
村野正景(当館学芸員)
「考古学・人類学者と学校教材~模型標本を例に~」
平田健(東京都教育委員会 学芸員)
「鴨沂高校 地理歴史科・京都文化科での取り組み」
島田雄介(京都府立鴨沂高等学校 教諭)
15:05
休憩
15:20
パネルディスカッション(60分) 〜学校所蔵資料のこれから〜
パネリスト:市元、和崎、島田、平田  司会:村野