開催趣旨

わが国に仏教が伝来して以降、貴賤を問わない人々が、それぞれの祈りを筆に託して、経典の書写を行ってきました。これは、写経という行為そのものに大きな功徳が宿ると、経典に説かれていたためにほかなりません。これら経文を書き写すという営みは、その規模や目的、書写の方法など様々に展開しながら、古代から現代に至るまで連綿と続けられてきました。そして、敬虔な信仰から生み出された品々は、私たちの心を揺さぶるような美しさを時として現します。
今回の展示では、古写経や石経などの実際に書き写された経文と、当時の人々の信仰にまつわる資料を紹介することで、祈りの世界に宿る美しさの一端に迫ります。ひとことに経文の書写と言っても、素紙に墨書したものだけでなく、華麗な料紙を用いるもの、末法思想を背景として粘土板に文字を刻むものなど、材質の違いにも注目されます。印刷技術の発展とともに大陸からもたらされ、また、国内で開板された版経も、独特の味わいを有します。それぞれの経巻に添えられた願文からは、祈りの目的も見えてくるでしょう。
本展が、豊かな祈りの世界に触れていただく機会となりましたら幸いです。

基本情報

会  期:
2022年12月17日(土)~2023年2月5日(日)
休 館 日:
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、
2022年12月26日(月)~2023年1月6日(金)
※館内空調設備工事のため、年末年始(12月28日~1月3日)を含め上記の
期間、休館いたします。
会  場:
京都文化博物館 2階総合展示室「京のまつり」
開室時間:
10:00〜19:30(入場は19:00まで)
入 場 料:
一般500円(400円)、大学生400円(320円)、高校生以下無料
※(  )内は20名以上の団体料金
※総合展示(2階)とフィルムシアター(3階)をご覧いただけます。
(フィルムシアターは催事により有料の場合があります)。
※新型コロナウィルス感染症の今後の状況により、予定を変更する場合もございますのでご了承ください。
主  催:
京都府、京都文化博物館

関連催事

(1)ぶんぱく京都講座「経文を写す―筆に託した祈りの世界―」

講  師:
佐藤稜介(京都文化博物館 学芸員)
会  場:
京都文化博物館別館2階講義室
日  時:
2023年1月14日(土)10:00〜11:30
定  員:
20名(要事前申込み)
参 加 料:
500円
申込方法:
・「教室・講座『ぶんぱく講座』申込フォーム」
www.bunpaku.or.jp/class/kyotokoza/form/)よりお申込みください。
・先着順。
・参加者1名ごとにお申込みください。


(2)担当学芸員によるギャラリートーク
(「京都府内の学校所在資料展2」と同時開催)

日  時:
2022年12月21日(水)、2023年1月20日(金)
いずれも14:00から展示室内で行います(30分程度)。
事前申込み不要、当日の入場者に限ります。

主な展示作品



大般若経
大般若経 巻第百三十五(川合宮一筆経)(部分) 平安時代 久寿2年(1155) 公益財団法人古代学協会蔵(京都文化博物館寄託)

書写によって大きな功徳が得られると信じられた大般若経。伝来以降、盛んに書き写されました。





大般若経
大般若経 巻第九十二(東大寺八幡経)(巻頭) 鎌倉時代 京都府立京都学・歴彩館蔵

装訂や料紙の風合い、筆致の美しさなど、鎌倉時代を代表する大般若経です。





石経
石経(京都市左京区東山将軍塚付近出土) 鎌倉時代 公益財団法人古代学協会蔵

地中ふかくに埋められた経典。大般若経がびっしりと書き込まれています。





仏性論
仏性論 巻第四(北野経王堂一切経)(巻頭) 室町時代 応永19年(1412) 京都府蔵(京都文化博物館管理)

室町時代に書写された一切経。祐覚なる大和国の僧が筆を執りました。





天神講式
天神講式(巻頭) 江戸時代 天保8年(1837) 京都府蔵(京都文化博物館管理)

天神さまの功徳を称える語り。美しい料紙にも注目です。





如意輪観音像
如意輪観音像(池大雅コレクション) 中国・明〜清時代 京都府蔵(京都文化博物館管理)

大陸よりもたらされた如意輪観音像。池大雅が終生大切にした念持仏です。





【出品リスト】