文化財保護基金室では、文化財保護とその啓発のために文化財研修講座などの啓発・普及事業を毎年行っております。これらの事業を通して、皆さまに文化財や伝統文化の保護について関心を持っていただくとともに皆さまの生涯学習のお役に立つことをめざしております。

 本年は、従来の研修講座とは違う新しい研修の形を模索するという主旨のもとに、文化財研修会「朝がゆの集い」を開催いたしました。「朝がゆの集い」は、~頭に知恵、心に栄養を~をキーワードに早朝のさわやかでゆったりとした空間の中で、京都が世界に誇る文化財を鑑賞し、朝がゆをいただくというものです。

研修会は、以下の日程で行われました。
第1回 5月22日(土)7:30~ 知恩院(東山区)参加人数50名
第2回 6月19日(土)7:30~ 萬福寺(宇治市)参加人数130名
第3回 7月17日(土)7:30~ 金戒光明寺(左京区)参加人数100名

 残念ながら、ご参加いただけなかった皆さまにはこの場を持ちまして改めてお詫び申し上げます。また、会場をご提供いただいた各寺院様をはじめ、ご協力いただきました各団体の皆さまに改めてお礼を申し上げます。(各協力団体名はページ末に掲載させていただいております。)
 各開催日ともに、梅雨の期間をはさんだにもかかわらず天候にも恵まれ、早朝のさわやかな空気の中で、無事、研修会を終える事ができました。ご参加下さいました皆さまにも、大変ご好評いただき、早くも次回の開催を望む声を頂戴いたしました。基金室一同、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 以下は、研修会の様子を撮影した写真とその説明です。

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講話の様子(橋本 周現 氏/金戒光明寺にて)

 「朝がゆの集い」は、各回ともに会場となりました寺院の方によるお話、「講話」からスタートいたしました。お寺の歴史、伝えられてきた文化財と伝えてきた人々の想い、過去の知恵を学んで現代に生きる私達が考えなければいけない事といった文化財に関する事から「いかに生きるか?」 といった哲学的命題まで、その内容は多 岐に渡り、大変、有意義なものでした。


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見学の様子(萬福寺にて)

 講話の後は、文化財の見学。普段は見学する事の出来ない貴重な文化財も見せていただきました。早朝からの催しにも関わらず、年代、性別を問わず多くの方々にご参加いただきました。


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うぐいす張りの説明(吉田 徹心 師/知恩院にて)

 文化財の見学では、お寺さんの所有されている文化財を見せていただくだけではなく、その構造についてもお話していただきました。写真は、うぐいす張りの床板の仕組みについてご教示いただいているところです。


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ミニ座禅体験(萬福寺にて)

 萬福寺では、普段、非公開の法堂(はっとう)で座禅体験をさせていただきました。法堂は、萬福寺で修行をされている僧侶の方々が実際に座禅を行うところです。今回の研修会では、この様な貴重な体験もさせていただきました。


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浚渫(しゅんせつ)中の鎧池(金戒光明寺にて)

 金戒光明寺にある有名な鎧池は、残念ながら浚渫(しゅんせつ)という、池の中の泥などを取り除く保全作業の最中で、お庭の美しい姿を拝見する事はできませんでした。しかし、こういった保全作業中の文化財を見る事ができる機会もなかなかない事なので、ある意味、とても貴重な体験であると言えるかも知れません。


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朝がゆの様子(知恩院にて)

 研修会の最後は、いよいよ朝がゆ。単に食事をするという事ではなく、命をいただくという事、食べれらるという事に感謝をする事など、たくさんの幸せに対し感謝をする事、食べる事もまた修行であり、厳しい作法がある事を実際に朝がゆをいただきながら学びました。


 今回の「朝がゆの集い」という研修会は、文化財保護基金室にとってもたくさんの「はじめて」がある研修会で、期待とともに不安も少なからずありました。しかし、ご協力いただいた各団体様のご厚意や意欲的な参加者の皆さまのおかげにより、成功のうちに3回の研修会を無事終える事ができました。皆さまに、重ねてお礼を申し上げます。文化財保護基金室では、今後もこの様な研修会を企画し、皆さまに文化財や伝統文化の保護について関心を持っていただくとともに皆さまの生涯学習のお役に立つ事ができればと考えております。

文化財研修会「朝がゆの集い」開催実績[PDF44KB]

皆さまのご参加、本当にありがとうございました。

本研修会にご協力いただきました団体

協力/浄土宗総本山知恩院、黄檗宗大本山萬福寺、浄土宗大本山くろ谷金戒光明寺、財団法人京都古文化保存協会、京都の文化財を守る会、関西学生古美術連盟
後援/京都府、京都府教育委員会、京都文化財防災対策連絡会