平成30年度文化財研修会「文化財鑑賞と朝がゆ体験」
2018.10.09
今年度で第9回目を迎える「土曜日の早朝文化財研修講座」は、より多くの方へ伝統文化や文化財保護への関心と理解を深めていただくために開催しております。
今年度は三ヶ寺に於いて実施予定でしたが、第1回金戒光明寺については、7月西日本豪雨のため中止とさせていただきました。本講座の開始以来初めての中止となり、参加を予定されていた方にはご迷惑をおかけいたしました。他の2回も知恩院は、猛暑のためか欠席される方がいつもより多く、萬福寺も直前に台風20号が通過し開催が危ぶまれる状況でした。実施できた2ヶ寺は、参加の方より好評のお声を頂戴しました。 朝の時間を有意義に使えた、毎年楽しみにしている等のお声もあり、参加者の文化財への関心が深まっていることを実感しています。
文化財鑑賞では、各社寺で丁寧な説明をしていただき、通常の参拝では知り得ない知識,由来を知ることが出来ました。また、講話を聞いたり、坐禅を組んだり、朝がゆをいただき、食事の大切さ学び、夏の早朝澄んだ空気の中で非日常な時間を過ごす贅沢なひとときを実感していただけたかと存じます。今後も、文化財保護の普及・啓発活動に取り組んでいく所存でございます。
残念ながら、ご参加いただけなかった皆様にはこの場を持ちまして、改めてお詫び申し上げます。また、会場をご提供いただいた各寺院様をはじめ、ご協力いただきました各団体の皆様に改めて御礼を申し上げます。
研修会は以下の日程で行われました。
・第1回 7月 7日(土) 金戒光明寺 (7月豪雨による中止)
・第2回 7月14日(土) 知恩院 (参加人数 70名)
・第3回 8月25日(土) 萬福寺 (参加人数 71名)
※前売り券は全て完売しております。
皆様のご参加、本当にありがとうございました。
第一回目の朝がゆ講座は、7月豪雨により大雨特別警報が出され、避難勧告・指示が発令される状況から残念ながら中止とさせていただきました。参加を予定されていた方には大変申し訳ございませんでした。
第二回目の朝がゆ講座「知恩院」は、大雨後の暑い日になりましたが、法然上人御堂、大方丈、小方丈等を巡る文化財鑑賞から始まりました。九鬼昌司師の軽妙な説明をいただき、知恩院(文化財)への理解を深めることができました。文化財鑑賞後は月光殿で引き続き九鬼昌司師から『法然上人と知恩院』と題して、貴重なお話を伺い、生と死を考える機会となりました。最後に雪香殿で食作法等を伺い、美味しい朝がゆを頂戴しました。
平成30年度「文化財鑑賞と朝がゆ体験」講座、最後は萬福寺です。今回は、開会後、執事 中島知彦師から隠元禅師が日本に来られた経緯や萬福寺の成り立ちなど予備知識を教わり、後の文化財鑑賞、坐禅、朝がゆ体験への理解も深まったと思います。文化財鑑賞では塔頭別峰院副住職 廣瀬尊之師の協力もいただき丁寧な解説を聞きながら天王殿、大雄宝殿などを巡りました。坐禅体験は普段非公開の法堂で行われ、厳かな雰囲気の中での貴重な体験になったのではないかと思います。坐禅の後の朝がゆは、四人一組で一つの行堂(ひんたん)と呼ばれる桶に入ったお粥を分け合い、食べる作法を教えていただきました。講話では、食事の前に唱える「五観の偈」という食事に対する教えを解説いただき、感謝の気持ち、食べ物を大事にすることなどを学びました。