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    Title

    没後90年 近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展

    Date

    2014.6.7(土) 〜 7.21(月・祝)

    会場: 4・3階展示室

    本年は、明治から大正期の日本洋画界に大きな影響を与えた黒田清輝(1866~1924)の没後90年にあたります。フランスで絵画を学んだ黒田は、帰国後、京都を訪れて着想を得た《昔語り》の関連作品群、芦ノ湖のほとりで涼む女性を描いた《湖畔》(重要文化財)や裸体画をめぐる論争の渦中に発表された《智・感・情》(重要文化財)といった名作・話題作を次々と発表し、洋画界をリードします。本展では、東京国立博物館および東京文化財研究所の全面的な協力を得て、黒田清輝作品の中から代表作約160点をご覧いただきます。黒田清輝の明るい外光に満ちた自然な世界、そして多様な試みを、存分にお楽しみください。

    基本情報

    没後90年 近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展
    会期
    平成26年6月7日(土)~7月21日(月・祝) 月曜日休館(祝日の場合は開館、翌日休館)
    会場
    京都文化博物館 3・4階展示室
    開室時間
    午前10時~午後6時 金曜日は午後7時30分まで(入室はそれぞれ30分前まで)
    主催
    京都府、京都文化博物館、朝日新聞社、東京国立博物館、東京文化財研究所
    後援
    京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、京都商工会議所、公益社団法人京都府観光連盟、公益社団法人京都市観光協会、歴史街道推進協議会、NHK京都放送局、KBS京都、エフエム京都
    協賛
    大伸社
    入場料
    当日前売り・団体(20名以上)
    一般1,200円1,000円
    大高生800円600円
    中小生400円300円
    *上記料金で、2階総合展示・3階フィルムシアターもご覧いただけます。
    *前売券は平成26年4月7日(月)から6月6日(金)までの期間限定販売
    *主な前売券の販売所:チケットぴあ(Pコード:766-098)、ローソンチケット(Lコード:54666)、セブンチケット(セブンコード:030-662)で販売
    *電子チケットでご購入いただく場合、手数料がかかることがあります。ご了承の上、お買い求め下さい。
    ■割引引換券をプリントする
    ※当館でご利用いただける割引引換券です。携帯・スマートフォン等の画面でのご提示はお受けできません。 必ずプリントしたものをお持ち下さい。

    展覧会内容

    第1章 パリ留学、そして転進

     日本近代洋画の巨匠と知られる黒田清輝は、じつは初めから画家になる志を抱いていたわけではありませんでした。
     鹿児島・島津藩士の家に生まれ、政治家であった黒田清綱の養子として育てられた彼が当初志したのは、法律家でした。明治17年(1884)にフランスへ留学したのも絵画を学ぶためではなく、法学を修めるためでした。
     しかし、パリで出会った洋画家の山本芳翠や藤雅三、美術商の林忠正らとの交流を経て、やがて黒田は画家になる決心を固めます。そして、画技を学ぶべく、ラファエル・コランという画家に入門します。コランは当時のフランスで、牧歌的な裸婦像により成功を手中に収めていたアカデミズムの画家でした。
     コランによる西洋画教育の基本は、人体デッサンでした。黒田もモデルを前に一心にデッサン修業に取り組み、おびただしい数のデッサンを残しています。

    第2章 パリからグレー=シュル=ロワンへ

     明治21年(1888)5月、黒田はパリから70キロほど離れた小村グレー=シュル=ロワンを訪れ、明治23年夏からはこの村に滞在し、制作の拠点とするようになりました。
     グレーという村は、フォンテーヌブローの森の南端に位置し、当時、アメリカや北欧から来た画家たちの集まる芸術家村となっていました。そのため、同じく異邦の画家である黒田にとってもなじみ易い環境にあったと思われます。
     黒田はグレーの長閑な風景に惹き付けられ、それらを明るいのびやかな筆致で描き出しました。また、黒田はここでマリア・ビヨーという農家の娘と出会い、彼女をモデルに初期の代表作を次々に描き出すことになります。

    第3章 白馬会の時代

     日本に帰国した黒田清輝は、当時の日本で唯一の洋画団体であった明治美術会でそれらの作品を発表します。その明るい色彩にあふれた画面は、“紫派”と呼ばれ、洋画壇に新風を吹き込むことになりました。
     新進の洋画家として注目を集めた黒田は、明治29年5月に東京美術学校(現・東京芸術大学)に西洋画科が設置されると、その指導者として迎えられます。さらにその翌月には、明治美術会に対抗して、自由平等を掲げた白馬会を、友人である久米桂一郎らと結成しました。留学後3年にして、黒田は名実ともに洋画壇の中心的役割を担うようになったのです。
     白馬会には、京都で着想を得て制作した《昔語り》下絵および画稿(明治29年)や、裸体画論争の最中に発表された《智・感・情》(重要文化財、明治32年)、黒田の代表作として広く知られる《湖畔》(重要文化財、明治30年)といった名作・話題作を次々に発表していきました。

    第4章 文展・帝展時代

     明治40年、日本初の官立展である文部省美術展覧会(文展)が開設されます。フランスのサロンを手本とした同展が発足するに際し、黒田清輝は大きく関与しました。文展開設後も審査員を歴任し、大正8年文部大臣の管理下に帝国美術院が創設されると会員となり、同11年には院長となり、美術行政家としての役割を担うことになります。
     さらには、明治43年、洋画家として初めての帝室技芸員となったほか、大正9年には貴族院議員になるなど、その後半生をもっぱら公人として多忙な日々を送ります。
     そうした状況を反映してか、この時期には小品、しかも自邸の庭や別荘近辺といった身近な眺めを写した作品が多く残されています。やがて狭心症で倒れた黒田は、大正13年7月、58歳の生涯を閉じることになります。

    初公開!《グレーの原》

    近年確認され、本展で初めて公開される《グレーの原》は、黒田清輝がフランスに留学中、パリ郊外の村グレー=シュル=ロワンに滞在しているときに描かれました。


    関連イベント

    ① 特別講演会[要事前申込み] 「黒田清輝と日本の近代美術」

    講師
    植田彩芳子(当館学芸員)
    日時
    6月7日(土)14:00~15:30
    会場
    当館別館ホール(定員200名)
    ※無料(ただし、本展覧会入場券[半券可]が必要です)

    ② レクチャー[要事前申込み] 「黒田清輝は京都で何を見たか」

    講師
    西山剛(当館学芸員)、森道彦(当館学芸員)
    日時
    6月21日(土)10:30~12:00
    会場
    当館3階フィルムシアター(定員170名)
    ※無料(ただし、本展覧会入場券[半券可]が必要です)

    ③ ミニ解説付きコンサート[要事前申込み] 「黒田清輝の名画とフランス音楽」

    演奏者
    京都市立芸術大学音楽学部生 Fl 大村優希恵、Ob 山田千晴、Cl 刀田大生、Hr 山本愛沙子、Fg 東田尚子 *協力:京都市立芸術大学キャリアアップセンター
    解説者
    植田彩芳子(当館学芸員)
    日時
    6月20日(金)18:00~19:30
    会場
    当館別館ホール(定員200名)
    ※無料(ただし、本展覧会入場券[半券可]が必要です)

    ④ 学芸員によるギャラリー・トーク

    日時
    6月13日(金)、6月27日(金)、7月11日(金) *各日とも午後6時から当館展示室内で行います。
    事前申込み不要、当日の入場者に限ります。

    ※①~③の申込み方法
    往復はがきに住所、氏名(返信面にも)、電話番号と希望イベント名・番号を明記し、京都文化博物館内「黒田清輝展関連イベント」係へ。先着順。イベントごとに参加者1名につき、1枚のはがきでお申し込みください。

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