祇園祭山鉾巡行で人気の蟷螂のからくりを搭載した山

 京都市中京区西洞院通四条上ル蟷螂山町から祇園祭の山鉾巡行に出される蟷螂山は、御所車の上に乗った蟷螂のからくりが人気を博する山です。
 中国の故事である「蟷螂の斧」に取材した意匠をもつ蟷螂山は、応仁の乱以前の記録にもその名の見える古い由緒を持っています。御所車の上に蟷螂のからくりが乗る姿は、南北朝時代に南朝方として活躍した四條隆資しじょうたかすけ(1292―1352)の戦う姿が蟷螂の斧のようであった事から、彼の死後に四條家の御所車に蟷螂を載せて山鉾巡行に参加したものだと伝えられています。
 蟷螂山は江戸時代後期に衰退し、明治5年(1872)以降長らく巡行に参加していませんでした。しかし、昭和56年(1981)に復興され再び山鉾巡行の列に連なるようになったのです。
 蟷螂山のあゆみからは、祇園祭の長い歴史と変遷の過程がうかがえます。今回の展示を通じて蟷螂山の歴史や文化の奥深さに触れていただくと共に、祇園祭のもつさまざまな魅力の一端を感じていただければ幸いです。


▲御所車旧胴巻裂 鳳凰花卉文様刺繍胴幕 額装
蟷螂山のあゆみ

 蟷螂山は、応仁の乱以前の文献に既に登場しており、室町時代に描かれた洛中洛外図屏風にもその姿が描かれるなど、祇園祭に登場する山鉾の中でも古い由緒をもつ山です。
 江戸時代、天明8年(1788)の大火で蟷螂山は焼失しますが、ただちに復興がはかられます。その時に整えられた御所車の破風板には、享和2年(1802)6月の銘がみられます。ところが、幕末に蟷螂山は衰退し、安政5年(1858)以降は巡行ヘの参加が滞りがちとなり、元治元年(1864)の大火から明治維新を経て、明治5年(1872)からは長らく休み山となってしまいます。
 しかし、第二次世界大戦の終戦を経て、昭和50年代頃から蟷螂山復活への機運が次第に盛り上がり、昭和52年(1977)には残っていた御所車の修理がおこなわれ、翌昭和53年には蟷螂山保存会が発足します。そして昭和56年(1981)に蟷螂山は見事に復活を遂げ、山鉾巡行への参加を果たしたのです。その後も蟷螂山には、人間国宝の羽田登喜男氏制作の懸装品などが整えられてゆき、華麗な姿を披露しています。


▲胴懸「瑞苑群遊鴛鴦図」 羽田登喜男 作

▲胴懸「瑞苑孔雀之図」羽田登喜男 作

▲かまきり(旧)

▲旧角飾金具 西洋紋章図角金具

基本情報

会 期:
2018(平成30)年4月7日(土)〜6月17日(日)
前期 4月7日(土)〜5月13日(日)
後期 5月16日(水)〜6月17日(日)
休 館 日:
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
※5月15日(火)は展示替えのため休室、5月1日(火)は臨時開館
会 場:
京都文化博物館 2階総合展示室「京のまつり」
開館時間:
10:00~19:30(入室は19:00まで)
入場料:
一般500円(400円)、大学生400円(320円)、高校生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*上記料金で、総合展示と3階フィルムシアターがご覧いただけます
主 催:
京都府、京都文化博物館
協 力:
蟷螂山保存會、公益財団法人祇園祭山鉾連合会


主な出品資料

資料名時代指定等展示期間
胴懸「瑞苑群遊鴛鴦図」 羽田登喜男 作昭和58年(1983)後期
胴懸「瑞苑孔雀之図」羽田登喜男 作昭和59年(1984)後期
前懸「瑞祥鶴浴之図」 羽田登喜男 作昭和56年(1981)後期
後懸「瑞鳥遊泳之図」 羽田登喜男 作平成16年(2004)前期
見送「巨岩遊禽図」 皆川月華 作昭和55年(1980)前期
見送「瑞苑飛翔三図」 羽田登喜男 作平成2年(1990)後期
水引「吉祥橘蟷螂図」 羽田登喜男 作平成11年(1999)後期
水引「雅楽 還城楽」佐々木洋一 作昭和54〜56年(1979〜81)前期
かまきり(新)昭和56年(1981)後期
かまきり(旧)昭和52年(1977)改修京都市指定文化財前期
御所車旧胴巻裂 鳳凰花卉文様刺繍胴幕 額装江戸時代後期京都市指定文化財前期
旧金幣文政12年(1829)頃京都市指定文化財前期
旧角飾金具 西洋紋章図角金具文政12年(1829)京都市指定文化財前期
破風板貼布 火馬および麒麟図刺繍裂享和2年(1802)京都市指定文化財前期
三龍図切付刺繍小幕江戸時代後期京都市指定文化財前期
御所車部材
・唐破風造両流屋根
・勾欄 紅塗木彫草花極彩色
・轅 鎌倉彫変形/前横木黒漆塗
・龍頭台座
・破風飾板 龍鳳凰刺繍裂貼道成寺模様裂貼
・鯱彫刻 屋根飾
・車輪
享和2年(1802)京都市指定文化財後期
錫御神酒徳利明治9年(1876)前期
蟷螂山模型江戸時代通期
角飾金具 彫金蟷螂飾付後期
見送飾金具(大2・小7)小林尚珉作後期
旧鯱彫刻前期
旧飾房享和2年(1802)前期
角飾房(金色・濃緑色各4)後期
文箱 黒漆塗神紋蒔絵昭和56年(1981)後期

*都合により展示資料を変更する場合があります。