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    Title

    立命館大学映像学部創立10周年記念事業
    地域から次世代映画を考える:制作者の視点、上映者の視点

    Date

    2018.1.27(土)

    会場: 3F フィルムシアター

    現在、日本映画の公開本数は15年前の2倍、およそ600本を数えるに至っている。これは50年代の最盛期すらはるかに上回る数字であるが、その多くはいわゆるインディペンデント映画である。日本のインディペンデント映画は、興行収入による回収の見込みが立たない低予算映画がその大半を占める現状にあるが、その一方で、国内外で高く評価された『野火』(塚本晋也監督、2015年)、『ハッピーアワー』(濱口竜介監督、2015年)、『淵に立つ』(深田晃司監督、2016年)など、大きな芸術的成果を生み出してもきた。公的支援の枠組みがない日本において、今もなお、インディペンデント映画は、各地で日々懸命につくり続けられている。これらの自律的自発的な創造性に依拠した映画こそが、日本映画の裾野を広げ、上記のような質的達成を下支えする沃土になってきたとも言えるのだ。

    この間、こうした作品の受け皿になってきたのがミニシアターだった。しかし、近年、地方のミニシアターにおけるインディペンデント作品の動員力の弱体化は、すでに興行としてはなりたたないレベルにまで達しており、もはや東京の劇場で盛況だったから、国際映画祭で入選ないし受賞したからという理由では、地方の一般客の動員を期待すること自体が不可能になっている。地方のミニシアターにも、これからの映画を担っていくであろう若手の作り手や作品を応援したい思いがある。その一方で、このままでは溢れかえるインディペンデント作品の上映がミニシアターそのものを圧迫し、結果的に優れた作品が出口を失ってしまうことにもなりかねない。

    こうした状況をふまえ、今回の2部にわたる上映・シンポジウム企画では、第1部で、映画のつくり手の視点から、映画に関わる人材・情報・資金が一極集中する東京から遠く離れて、地方で映画づくりを続けていくことの意義を問い、第2部で、映画の送り手の視点から、京阪神のミニシアターの取り組みを事例に、これからのインディペンデント映画の上映環境を考える。この企画が、今日の日本映画を取り巻く諸課題を共有し、そうした課題を乗り越えていく具体的な方策を見出していく機縁になることを願う。


    主 催:
    立命館大学映像学部、京都府京都文化博物館、NPO法人独立映画鍋、
    関西次世代映画ショーケース実行委員会
    詳細HP:
    http://eiganabe.net/kyoto/

    第1部 映画はどこでもつくれる!か? 〜地方で映画を作るわけ〜

    日本の映画業界は“人材・情報・資金“が東京に一極集中している。その弊害は、“多様な価値観を有した映画が育まれる環境“を阻害している点にある。この状況を、地方在住の作家はどう捉えているのだろう。そもそも、なぜ彼らは地方で映画を作るのか?
    福祉作業所職員、銀行員、ゲストハウス&カフェ経営、劇場スタッフなど、多様なライフスタイルの中で映画を作り続ける地方在住の監督たちの交流から、地方で映画を作ることの意義や課題を探りつつ、具体的な活路を見出していく。

    【上映作品】

    『右にミナト、左にヘイワ。』

    (監督・脚本・編集:酒井健宏/2017年/40分)※名古屋

    『しまこと小豆島』

    (監督・脚本・撮影・編集:香西志帆/2017年/18分)※香川

    『茜色の約束 サンバ do 金魚』

    (監督・脚本:塩崎祥平/2012年/96分)※奈良

    ※加えて『月夜釜合戦』(監督・脚本:佐藤零郎)の予告編を上映。

    ゲスト:
    酒井健宏、香西志帆、塩崎祥平、佐藤零郎
    司 会:
    歌川達人(NPO法人独立映画鍋)

    第2部 関西次世代映画ショーケース

    京阪神のミニシアターはこれまでも特集上映「濱口竜介プロスペクティブ」(2013年)や、学生が500円で映画を観られる「え~がな500」などの取り組みを共同で実施してきた。この企画では、これらのミニシアターの館主たちとともに、地方の映画館における動員力の弱体化という課題を共有するインディペンデント映画の作り手や研究者、地域文化の担い手の方々を招き、京阪神におけるインディペンデント映画の上映環境を考える。ここでは、具体的な上映スキームを検討しながら、今後の共同事業の可能性を模索する。

    ゲスト:
    福永信(小説家)、土田環(早稲田大学基幹理工学部・研究科専任講師)、松村厚(映画宣伝)、山崎紀子(シネ・ヌーヴォ〔大阪〕支配人)、林未来(元町映画館〔神戸〕支配人)、吉田由利香(京都みなみ会館支配人)、田中誠一(出町座〔京都〕支配人)
    司 会:
    川村健一郎(立命館大学映像学部教授)

    【スケジュール】

    2018年1月27日(土)

    13:30 
    第1部「映画はどこでもつくれる!か? 〜地方で映画を作るわけ〜」関連上映
    『右にミナト、左にヘイワ。』(40分)+『しまこと小豆島』(18分)
    14:40 
    『茜色の約束 サンバ do 金魚』(96分)
    16:30 
    シンポジウム第1部「映画はどこでもつくれる!か?〜地方で映画を作るわけ〜」
    18:00 
    シンポジウム第2部「京阪神ミニシアターの現状とインディペンデント映画上映スキーム」
    19:30 
    終了予定

    ※詳細は立命館大学映像学部(075-465-1990)までお問い合わせください

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